このブログはタイトルが「読んでみた」なので、
本当は取り上げる内容ではないのですが、
ぜひ、ぜひおすすめしたかったのでご紹介します。
ブロードウェイミュージカル「RENT」をご存じでしょうか。
日本のファンもとても多い作品なので言うまでもなく、かもしれません。
私がこのミュージカルを知ったのは、
映画館に確か「名探偵コナン」を見に行った時に流れてきた予告編です。
RENTは2006年に映画化されてるんです。
その予告編で流れてきた、「Seasons of Love」に心をわしづかみにされて、
以来20年近く追いかけ続けています。
Seasons of Loveはゴスペル調の曲ですが、
他にもロック調の曲あり、タンゴあり、フォークありと
様々なジャンルが入ってます。
どれかきっと、心に響く曲があるはず。
ミュージカル苦手って人にも、単純に音楽として楽しめると思います。
「NO DAY BUT TODAY」がメインテーマとなっていて、
舞台を見に行くたびに、映画を見るたびに
目の前の今日1日を大切に過ごそう、と心から思います。
あらすじはインターネットで検索すると出てくるので割愛します。
この話がただのLGBTを含めた若者の群像劇で終わらないのは、
HIV/AIDSが「死の病」として重くのしかかるからです。
劇中では「AZTちゃんと飲めよ」とか「CD4が減ってきた」というセリフがあったり、
ある重要な場面でアラームが鳴って、ヒロインが「AZTの時間」と言ったりします。
AZTは一般名ジドブシン(商品名レトロビル)、日本での承認は1987年です。
1日2~6回に分けて服用なので、アラームが必要なんですね。
個人的には大学卒業以来、抗HIV薬にはあまり関わる機会がなくて
今回改めて抗HIV治療ガイドライン2024年3月版をみました。
https://hiv-guidelines.jp/pdf/hiv_guideline2024_v3.pdf
AZT以外にも作用機序が異なる薬剤がいくつも販売されているほか、
服用回数も1日1回のものが初回治療として推奨されています。
AZTとはずいぶん違う!
ガイドライン内では
「長期療養時代に入った現在のHIV感染症診療」というキーワードもあり、
「RENT」で表現される時代とは隔世の感があります。
2017年の報告(PMID28501495)でも、
一般の方と比較して寿命は大きく変わらない、とされています。
もしかしたら「RENT」も、
「昔はこういう病気があった」という目で見られつつあるのかもしれません。
(現代の私たちが「風立ちぬ」を見てるみたいな感じ?)
結核と同様、耐性ウイルスなどが出てきて全く「過去の病気」ではないのですが、
少なくとも「RENT」の時代と現代は違う。
でも、それでも、
「RENT」をきっかけにHIV/AIDSについて知る人が増えればいいなと思います。
私もなじみのなかった抗HIV薬、勉強します!
なお「RENT」はほぼ毎年、
来日公演(全編英語・字幕付き)か日本版公演(全編日本語)のどちらかがあります。
2024年は例年と違い日米合作。
山本耕史さんが映像作家のマーク、
全編英語!
私も見に行きました。(今回の公演は2回見に行った…)
毎年のように見に行ってるのに、毎年見に行きたくなってしまう。
私は最初にRENTに触れたのが映画版だったので、
ブロードウェイキャストの来日公演版が大好きなのですが、
今回の山本耕史さんは全く違和感ないどころか、マークそのものでした。
40歳を超えてるはずなのに、20代の若者を演じて違和感ないって何者なのか。
お肌ぷりぷり、動きは軽々、マークにしか見えなかったです。
そしてあのムキムキボディが海外勢に混ざると普通に見えてしまうという…
クリスタル・ケイに至っては今まで見たモーリーンの中では
初代のイディナ・メンゼルに次いで好きです。
初めてのRENTとしても今回の日米合作はいいと思う!
東京公演は9/8まで渋谷の東急シアターオーブ、
大阪公演は9/11~15まで梅田のSkyシアターMBSです。
まだチケット取れますよ!
映画版もブロードウェイのオリジナルキャストがほぼそのまま演じていて
とてもおすすめなのですが、残念ながら廃盤なのか
Amazonでは在庫なし、入荷予定なし…だったのですが
今(9/4)に見たらコレクターズエディションは復活してる!
山本耕史効果?!