本のそでから
化学分析に必要な‘はかる’感覚と基礎知識を身につけるための書.
器具選び:器具はリアルなイラストを用いて現物と対応できるようにし,その用途と選び方を解説.
試料処理:粉砕・乾燥といった試料のはかり取りに関わる単位操作から,加熱・溶解・ろ過など,主として無機分析の試料処理に関わるものまで順を追ってイラストとともに列挙.
データ整理:測定後に信頼性を考慮しながらデータを整理して分析値を提示するまでの最低限の段取りを伝授.
基本操作をマスターして,五感を動員した‘はかる’感覚を身につけよう!
目次
- 分析化学で使う器具
- 分析化学における単位操作(基本操作)
- 分析値の信頼性確保
こんな人におすすめ
これから実習が始まるぞ!という大学生
いきなり分析業務に従事することになってしまった人
感想
これは…前に読んだ「ビーカーくん」シリーズのレベルアップバージョンだな?
第1章ではビーカーやはさみ、トング、ピンセットにはじまり、
デシケーターやバーナーまで写真や図をまじえて詳しく使い方が説明されています。
デシケーターのすり合わせへのワセリンの塗り方のアドバイスまで記載されています。
フッ素樹脂コーティングのピンセットは先端がすぐはげるとかの
小さなTipsもちりばめられ、読んでいるだけで楽しいです。
第1章で書籍全体の半分の頁が使われていて、力の入れ具合が半端ないです。
惜しいのは全て白黒なこと。せめて写真はカラーで見たかった。
第2章は実際の操作、
すなわちどうやってはかり取るか、どのように測定溶液にするかが
手順別に細かく紹介されています。
「かくはん」だけで4頁使ってあるって、
他の本ではなかなかないのではないでしょうか。
第3章の分析値の信頼性確保は実験で計測した値を
どのように適切な数値として整理するか、という整理方法を示した章です。
検定なども紹介されていますが、ここは意外とあっさりしています。
詳細は他の書籍に譲る、といったところでしょうか。
私は分析化学は大学の実習以来ごぶさた、というほぼ素人のようなものですが、
それでもするする読めてしまいます。
表紙だけ見るとさすが丸善出版、というすごくまじめな本に見えるのですが、
中身の文体が口語調で軽めの文体だからかもしれません。
実習の前の操作説明を思い出します。
分析化学実習…もう一度やりたいようなやりたくないような…
水の硬度をはかる実習で水をもってこいと言われて、
当時はやっていたコントレックスを持って行ったのを思い出しました。
(硬度が高すぎてうちの班だけやたらと時間がかかった)
よければこちらもどうぞ
「ビーカーくん」シリーズを読んでからこの本を読むと、
よりするすると読めそうな気がします。
・「この形にはワケがある!ビーカーくんとそのなかまたち」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた
・誰におすすめ?「ビーカーくんのゆかいな化学実験」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた
