ダイエットは借金返済である。「医療記者のダイエット」

 

本のそでから

自分を変えようとしても、しんどい。

しんどいことは続かない。

怠惰な自分をちょっとずつ騙して、

気づいたらやせているようにする。

変えるべきは、生活です。

対象はこんな人

いろんなダイエット法に飛びついてきた人

ダイエットは「食事が9割」ってわかってるけど続けられない人

目次

第1章 どうしてやせなきゃいけないの?

第2章 「セオリー」どおりやってみる

第3章 ダイエットを「ハック」せよ

第4章 ”ダイエット”に騙されないために

第5章 「肥満の沼」から這い上がる

この本の推しポイント

怪しいサプリや変なダイエット法にだまされず、

地道な努力が一番の近道であるということを

記者の端正な文章で真正面から論じてくるところ。

でも元がBigサイズの方なので、

心が折れそうになったときのフォローもあり。

そのフォローしてくれる相手がガチの専門家!

感想

著者は医学部を卒業したあと

webメディア、新聞社で医療記者をされている朽木誠一郎さんです。

2016年にWELQというサイトが医療デマをばらまいていることを告発された方、

といえばご存じの方も多いかもしれません。

その後毒親サバイバーとしても取材を受けていらしたので

そちらでご存じの方もいるかもしれませんね。

 

朽木さんが書くダイエット本なので

「これで誰でもやせる!」という類の本とは全く違います。

体重115kg/体脂肪率34%とどこからどう見ても「肥満」な朽木さんが

どうやって痩せていくのか。

朽木さんが、科学的根拠に基づき、正しい情報を得て、

情報だけでは解決できない問題は専門家の手を借りて、

工夫をして40kgの減量に成功した軌跡です。

 

私が一番印象に残ったのは、

p163にある「ダイエットは借金返済に似ています」という言葉。

100万円の借金は、

20か月かけ、5万円ずつコツコツ返すのが一番、負担がありません。

とあります。

分かってる、分かってるんだよ!

「このサプリで脂肪が溶ける」とかの

競馬で一発大穴あてて100万円返す!みたいなおいしい話が無いことは!

おこづかいの1000円をためていくのが一番着実で早いことは!

この本では私が今まで直視してこなかった、

着実な方法を紹介してくれます。

 

具体的な方法としては、大雑把に言うと以下の通りです。

  1. 伴走者を見つける(パーソナルトレーナーとか)
  2. 食事管理アプリや運動量トラッカーなどで記録管理
  3. SNSで励ましあう環境をつくる
  4. もう太らない生活へ!

こう書くと簡単じゃん、本を読むほどでもないじゃんって思われそうですね。

ただそこは朽木さん。

本領発揮というところですが、

引用する資料は「肥満症診療ガイドライン2016」。

「意志をコントロールする方法」を聞くのは「走る哲学者」為末大さん。

カロリー制限に行き詰って相談するのは

ロカボ」提唱者の北里大学医学部・山田悟先生。

山田先生から糖質制限のレクチャーを受けた後に、

運動療法の相談をするのは順天堂大学医学部・綿田裕孝先生。

帰りが遅くてジムに行けない!と悶々として相談するのは、

みんなで筋肉体操」でおなじみの近畿大学・谷本道哉先生。

各領域での超・有名人がこれでもかと並びます。

 

困りごとを第一人者の力を借りて解決したうえで、

SNSという「つながり」の力を借りて環境づくりに成功していきます。

 

目新しさを求めている人は読んだらがっかりするかもしれません。

この通りにすれば絶対痩せる!という本でもありません。

ただダイエットの「王道」は分かってはいるけど続けられない、という人に

是非読んでほしい本だと感じました。

 

※えらそうなこと言ってますが2024年11月現在、直近1年で8kg太った私…

だからこの本を手にとったというのもあるのですが、

元の体重に戻すべく、食事改善を継続!したいと思います。

成功したらここに追記します。

 

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以前紹介した、たかぎなおこさんの「体力アップ1年生」でも、

トライアスロンに出場している「ゆみこさん」を中心に

「ユミザップ」という名のLINEグループで経過を報告しあっていました。

「ユミザップ」は友人同士の「強い」つながりですが、

「ゆるい」つながりだったら、

知らない人5人でチームを組める「みんチャレ」のアプリとかが

いいかもしれないなと思ったので早速ダウンロードして

ダイエット関連のグループに参加してみました。

 

死ぬまで自分の足で歩きたい!「筋トレが最強のソリューションである」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

筋トレは借金返済のための第一歩。

 

あとは雑誌「調剤と情報」の2024年11月号、

谷本道哉先生のインタビューが載ってます。

患者に指導するからには

まずは医療者が運動習慣を身につけなさいというメッセージ。

仰る通りでございます…。

2024年11月発売の薬剤師関係の雑誌 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた