本の紹介
「心不全ってそんなにムズカシくない!」「心不全って面白い!」心不全診療の扉が開く!理解が深まる!
・豊富なイラスト・マンガで解説内容がイメージしやすく、ねころびながらでも楽しく読むことができる!
・急性期から慢性期まで、膨大になりがちな心不全の知識がコンパクトにまとまっていて非専門医にも読みやすい!
ねころんで読める心不全 | オンラインストア|看護・医学新刊・セミナー|メディカ出版
目次
第1章 そもそも心不全ってナニ?
第2章 心不全の診断ってどうやってやるの?
第3章 急性心不全の治療 ~どう考えてどう治療する?~
第4章 とっても大事な慢性心不全の薬物治療
第5章 非薬物治療も見逃せない!
第6章 心不全のトータルマネジメント
第7章 実際に急性心不全の患者さんを診てみよう!
こんな人におすすめ
心不全の病態や治療はある程度分かってる、
そのうえで目の前の心不全患者さんにどう向き合うかを考えたい人
推しポイント
ねこ!ねこ!ねこのイラスト!
表紙からしてねこまみれ!
はさておき、
患者さんとのやりとりが具体的に紹介されるので、
一人の患者さんという人間像を想像しながら読み進めることができる点。
雑記
私のような心不全はほぼノータッチな薬剤師は
この本を読む前に「薬剤師のためのここから始める循環器」で
先に心不全の病態や薬物治療を勉強して下地を作っておくことをおすすめします。
図が絶妙!「薬剤師のための ここからはじめる循環器」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた
病態や薬物治療の理論は上記書籍のほうが細かく、
かつ薬剤師向けの解説になっています。
では「ねころんで読める心不全」はどう読めばよいのか。
この本で印象的なのは、患者さんの人物像が目の前に浮かび上がってくることなんです。
例えばp36、病歴聴取のやり取り。
高齢者で実は息切れがあるのに、動くと苦しい→動かないようにする
→動かないから息切れしない→「大丈夫です」とか。
私の両親とかを想像すると全くこの通り言いそうです。
また同じく病歴聴取の項で、
「動いたときに息が苦しくなったりしませんか?」でなく
「靴ひもを結ぶためにかがんだときに息苦しくなったりしませんか?」と
聞いてみたらよいかも、というような紹介がされています。
そんな、具体的な患者像が想像できるように作られている本だからこそ、
薬剤師向けの本で基礎を学んでから読んだ方がするすると読めると思うんです。
もう一点、私が印象に残ったのは「Fantastic5」という言葉です。
薬物治療の柱であるFantastic4に心臓リハビリテーションを加えたのがFantastic5。
心臓リハビリテーション(心リハ)は運動だけでなく、
栄養指導、生活指導、カウンセリングなどを多職種で行う疾患管理プログラムだそうです。
まさにチームで介入していく場なんですね。
女性向けフィットネスのカーブスが医療機関と連携して心リハに取り組んでいるそうで、
どんな様子でやってるのかなと気になります。
ガチ初心者にとっては「ねころんで」読めるほど気楽な本ではないけれど、
基礎がある程度わかってる人であればねこイラストにニヤニヤしながら読めるはず。
早くねころんで読めるように基礎を固めたいものです。
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2024年は心不全の良い本に立て続けに出合えてうれしい。
