本の紹介
”効く”と言われ続けたのにはワケがある!!
下痢止めにはゲンノショウコ、便通や高血圧予防にはドクダミ、皮膚の血液循環の改善にはセンブリ、といった民間での言い伝えによって自分の判断で適用する、これが民間薬を使うということです。本書では民間薬の基礎知識からその由来となった動植物の紹介、さらには民間薬が近代薬にどう発展していったかなど、民間薬にまつわるさまざまな話を展開していきます。
目次
第1章 民間薬とはなにか
第2章 民間薬の歴史
第3章 民間薬あれこれ
第4章 民間薬と近代医薬
第5章 民間薬と中毒
こんな人におすすめ
植物そのものというよりは、植物の使われ方とか民俗的・文化的な面に興味がある人
この本の推しポイント
第3章の民間薬あれこれの小ネタオンパレード。
雑記
同じ著者の「禁断の植物園」を読んだときにも思ったのですが、
船山先生の小ネタオンパレードが大好きです。
第3章の「民間薬あれこれ」では小ネタがこれでもかと披露されています。
オオイタドリを庭に移植したらやっかいな存在になっただの、
ソバを食べたあとに日光にあたると唇がピリピリすることがあるだの、
この先生の授業はきっと小ネタ満載で楽しいと思う。
研究がらみの小ネタがぽろぽろ散りばめられてるのもよいです。
お仕事で、野外キャンプが行われてる場所に連れていかれて、
「この辺の薬草について教えてください」と無茶な注文をされた話とか、
研究室にクワズイモを食べちゃった人から電話がかかってきた話とか。
この先生と一緒に薬用植物園行ってみたいです。
私は生薬の有効成分の同定とか化合物の構造というよりは、
どうやって使うのかに昔から興味があったんだな、とこの本を読んで改めて思いました。
だから天然物化学よりも薬用植物学や生薬学の授業が好きだったんだ。
p89~92まではマゴタロウムシやミミズ、ムカデなどの
動物生薬のカラー写真が出てくるので注意。
この本、小ネタ満載で全力でおすすめしたいだけにとても残念なのが、
第1章(15ページ)で
「ドクダミ(十薬)が十全大補湯に含まれる」って書いちゃってるんですよね。
何かと勘違いされたんだろうなと思うのですが、
実際に入ってないです。
十味敗毒湯あたりじゃない?と思ったら十味敗毒湯にも入ってなかった…
冒頭で大きな間違いが書いてあるとその後も疑いの目で見てしまうので、
それがとても残念だなと思います。
正直、この本の第1章は文章もちょっと読みづらい気がするので読み飛ばして
第2章から読むのをおすすめします。
上記の間違いを吹っ飛ばすくらい第3章以降の小ネタが魅力的な本です。
よければこちらもどうぞ
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