作者さんは天才としか思えない「元素楽章」

 

本の紹介

もしも元素たちが生きて,みずから動いて,歴史を紡ぐ世界があったとしたら?

元素楽章 - 株式会社 化学同人

目次

第1楽章 元素十八重奏
第2楽章 周期表の歩き方
第3楽章 魔術と科学の狭間
第4楽章 原初の者
第5楽章 脆い力
終楽章 離島の旅人
終演:カーテンコール

この本の推しポイント

きらびやかなイラストでするっと読めちゃうけど、

かなり専門的な知識を手にいれられること。

ほんとイラストがきれい。ほんと。

雑記

化学同人さんは教科書から絵本まで、

守備範囲の広さとマニアックさがとても素敵な出版社です。

その化学同人さんが2024年に出した本の中でも

とびっきりの異色さを誇ると私が思っているのがこの本です。

 

「元素を擬人化する」これ自体は他のところでもあります。

この本が異色なのは、擬人化した元素たちを使って一つの世界を作ってしまったこと。

舞台は「アスティオン大陸」、元素ごとに住んでいる国が違います。

例えば典型元素は「ヘリオス王国」、

遷移金属は軍事国家の「ソンドル共和国」。

ヘリオス王国に存在する「大陸一アブない街」に住んでいるのはハロゲン元素。

「電子をくれなきゃ電子を奪うぞ」が合言葉の祭りが開催されるだの、

命と電子がいくつあっても足りないだの…

元ネタの知識があるととても楽しい。

逆に元ネタなしでこれを読んで、後から授業で習ったりしたら

「このことかー!」ってなっておもしろいのかもしれない。

 

とにかく1頁あたりの情報量が多くて、

擬人化設定の文章と元ネタを結び付けるのが楽しくて、

真面目な小ネタもふんだんに記載されてて、

周期表からこれだけの世界を作り出せるって作者さんは天才なのか…?

これが1980円って化学同人さんの中はどうなってるんだよ!と言いたくなります。

 

それにしても私は理系で周期表の勉強もそれなりにしてきたはずなのですが、

各元素について知らないことが多すぎました。

大人が周期表について改めて勉強するのにとてもおすすめ。

勉強!って感じではなくライトノベルを読むくらいの感覚で読み始められます。

ってライトに読み始められるんだけど、

情報量多すぎてなかなか読み終えられない!

お買い得すぎる(笑)

 

ケムステにも書評が掲載されてました。

【書評】元素楽章ー擬人化でわかる元素の世界 | Chem-Station (ケムステ)