本の紹介
日本語のおもしろさ、素晴らしさがぎっしり!
日本語の奥深さを日々痛感しています » さくら舎|千鳥ヶ淵の新しい出版社
目次
1.ことばは生き物。
変身もする、盛衰もある
2.ことばの最前線!
新語が生まれるとき
3.知るたのしみ、使うたのしみ……
語彙力で心豊かになる
4.ことばは物語をもっている。
歴史の断面が語られる
5.語感、言い回し、使い方……
日本語はおもしろい
この本の推しポイント
方言から新語まで、日々変わり続ける「ことば」に対する
校閲記者さんの雑感を知ることができること。
雑記
発行が2020年10月、コロナ禍真っただ中で発行された本です。
そのため、第2章の「新語が生まれるとき」では
「新型○○ウイルス」はいつまで新型なのか、とか
「コロナ禍」「3密」「ディスタンス」のような言葉に関する話題など、
コロナ禍ならではのネタが収録されています。
それらも読んでいてとてもおもしろいのですが、
私が紹介したいのは第4章に収録されている「消えゆく『ヴ』」というコラムです。
外務省が使う国名の基準となる「在外公館名称位置給与法」の改正法が
2019年3月末に成立したため、外国名から「ヴ」は全て消えました。
西アフリカの島国である「カーボヴェルデ」は「カーボベルデ」に、
中南米の島国である「セントクリストファー・ネーヴィス」は
「セントクリストファー・ネービス」に。
元々があまり馴染みのない国だからあまり違和感はないけれど、
国名で「ヴ」は無くなっていたんですね。
一方で、医薬品の商品名って最近「ヴ」がつくものが増えていませんか?
昔は「ヴィーン」くらいだった気がするのに、
PMDAの添付文書検索で「ヴ」で検索すると30件も出てきます。
まあそのうち6件は「ヴィーン」なわけですが…
大学を卒業したてのころ、電話で言われた「ヴィーン」を
手元のPCで「ビーン」で検索してうまくいかなくてアワアワしたのは
私だけではないはずです。
日本語では「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」と「バ・ビ・ブ・ベ・ボ」の
発音上の区別はほとんどありません。
だから「ヴィーン」も「ビーン」も耳で聞く分には同じ音です。
めんどくさいから「ビーン」でいいじゃん。
あえて「ヴ」なんて音を使って空気読めない商品名をつけるのは
「ヴォリブリス」なんて命名しちゃう某イギリスの会社くらいだろう
と思っていたのですが、
アッヴィが社名に「ヴ」を入れたあたりから
他社にも広がってきた印象があります。
海外の製品名をそのまま使いたいとか、
「ヴ」を使わないと製品名がもはやネタ切れとか、
いろいろ事情はあるのだと推察します。
そんな背景からか
最近ではエーザイの「ハラヴェン」とか第一三共の「ヴァンフリタ」、
日本新薬の「モノヴァー」のように内資メーカーでも続々登場。
これからもどんどん「ヴ」がつく医薬品名は増えてゆくのでしょうね。
仕方ないことだとはいえ、
個人的には耳で聞く「音」と目で見る「字」がずれているように感じて苦手です。
新商品が出たら「ヴ」なのか「ブ」なのか覚えておかないと。
消える「ヴ」があれば増える「ヴ」もあり。
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