薬剤師の皆さん、最近国語辞典って引きましたか?
私は仕事の都合で時々辞書が必要な場面があって、
辞書つながりで、おもしろい本を見つけたのでご紹介します。
本の紹介
歴代の三省堂国語辞典から削除された1,000項目を当時の紙面のまま拡大して収録。全項目に脚注を付し、「コギャル」「メーンエベント」など15項目には時代背景を大活字で解説。巻末に版数別の削除項目2,000。
この本の推しポイント
消えた言葉から時代がみえる点、
医学用語のはずなのにこのことば知らないぞ…というものがある点
雑記
この本は新明解と同じ三省堂が出している三省堂国語辞典が改訂のたびに
削ぎ落としていった言葉を抜き出してまとめた本です。
なんでこの本を知ったのかというと、
三省堂辞書出版部部長の山本さんのお声が良すぎて悶絶。
「文藝春秋の世界」とか、「古文訳J-POPの世界」、
小説家の中山七里先生に24時間密着した回あたりが特におすすめです。
YouTubeはさておき、
この本はブログのネタにするつもりは全く無くて興味本位で読みました。
ところが意外や意外、
医療系のことばや医薬品名が取り上げられているのですよ。
例えば「サルバルサン」とか「クロロマイセチン」とか「ピリン系」など、
古い薬の名前たち。
「ピリン系」は2001年に削除になったのですが、
掲載当時の解説は以下の通りなかなか細かい。
アミノピリンやスルピリン〔=アミノピリンの注射薬〕などの系統の薬。アレルギー体質の人ははっしん(発疹)〔=ピリンしん(疹)〕を起こしやすい。
スルピリン…名前しか聞いたことないです。まだニプロが売ってるのね…
病名関係だと「胃カタル」とか「あおそこひ」とかも2014年に削除となりました。
胃カタルは胃炎のことだ、という説明がされています。
昔の小説とか読んでると出てきますがもう日常生活では使いませんね。
漢方薬の五苓散とかの添付文書の効能効果欄で
「胃腸カタル」という言葉が残っていたりはします。
私が「そうか…もう君はいないのか…」と思ったのは「カチリ」。
2022年に削除されました。
「カルボールチンクリニメント」の略称だそうですが
恥ずかしながら、元となった「カルボールチンクリニメント」
の呼び名を知らなかったです。
だって局方だと「フェノール亜鉛華リニメント」だもん。
水ぼうそうの時に昔よく処方されてましたが最近は見かけなくなりましたね。
白くてピリピリしみるやつね。
辞書に載るくらい一般に知られていた薬名だったということ、
そして最近見かけなくなったのは抗ウイルス薬の台頭によるものなのか、
2014年から水痘ワクチンが定期接種となったことで感染者が減ったためなのか、
などいろいろ思うところがある「消えたことば」でした。
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