薬剤師の転職理由として「人間関係」はかなり大きいと思います。
転職エージェントの記事を見ていても、
限られた人数と狭い作業空間で長い時間働くことが多く、人間関係が近くなりがち、気が合わない人との距離が取りづらく、ストレスが積み重なってしまうことも多い
という記載があります。
人間だもの、どこにでも合わない人はいる。
でも、「明らかにこの人が原因で職場がおかしくなってる」
っていうケースにもしばしば遭遇します。
そんな「職場を腐らせる人」の生態を解説したのがこの本。
最初に「腐らせる人」15個の事例が紹介されます。
過大なノルマを部下に押し付ける上司、
八つ当たり屋、
不和の種をまく人…
私、人間関係には比較的恵まれてきたんじゃないかな…
と思っていたのですが、違った。
どの職場にも「腐らせる人」、いた。
そういう人のことをさんざん家族に友人にグチってた。
そんなグチ聞かされてもどうしようもないですよね。
今さらながら家族よ、友人よ、ごめんなさい。
「何でそんな行動をするのか」
「何でそんなことを言うのか」
腐らせる人をみていてそれが最大の謎だと思うのですが、
この本では精神科医がその心理を事細かに解説していきます。
1冊の3分の2が生態解説に費やされます。
「相手によって態度を変える人」とか、
「常に相手を見下す人」っていったいどういう心理なのか
さっぱり分からなかったのですが、
事細かに解説してくれます。
…正直知りたくなかったような気もする。
某大院卒の人にさんざん「かわいそうな子」扱いされたのは
こういうことだったのか。
生態をじっくりと理解したあと
本の残り3分の1で「腐らせる人」への対処法が示されるかと思いきや、
著者の片田珠美氏の座右の銘として
狂気を癒す方法は見つかるが、
根性曲がりを矯正する方法はまったく見つからない
という言葉が紹介されます。(もともとは17世紀の貴族の言葉だそう)
つまりが「腐らせる人」を更生させようとするのは無駄なんです。
自分が変わるしかない。
「ターゲットにならない」
「断る」
「できるだけ避ける」
うん、その対処法は知ってる。結局それになるんだ。
それができない、小さい集団とか、自分が上司の場合とかどうしたらいいのかな。
…と上から目線で読み終わりました。
が。
当然のように自分は「腐らせていない」という前提に立って読んでしまったけど、
終わりのほうにあるこの一文を読んで怖くなりました。
周囲から「あの人のことで困っているんです」「あの人どうにかできないでしょうか」といった相談を持ちかけられる人に限って、当の本人は「何にも問題はありません」「悩んでいることはありません」などと答えることが多く、啞然とする。
「腐らせる人」は自分が「腐らせている」という自覚が無い場合が多い。
自分で気づけていない。
自分が「腐らせる人」でないと自信をもって言い切れるのか。
本書の3分の2を占める「腐らせる人」の事例に思い当たることがないか。
それを気づかせるための本のように感じて、背筋が寒くなりました。
これは…読んでよかった。
