ネイルケアをやりたくなる「がん治療における爪のアピアランスケア」

ちょっと前にボーリングに行ったのですが、

1ゲーム投げ終わったあたりで親指の爪が割れてしまいました。

右手の親指の真ん中あたり、図の赤矢印くらいの位置に横からピッと亀裂が。

亀裂自体は5mmも無いくらいなのに、とっても日常生活が不便。

服を着れば繊維にひっかかる、

髪を洗えば髪がひっかかる、

皿を洗えばスポンジにひっかかる。

爪が伸びるまでの辛抱とはいえ、

もうこの不便さ耐えられない!

 

サージカルテープで保護してみたり、

うっすい膜みたいなテープで保護してみたりしたんですけどね、

右手の親指の先端とあってテープ自体がすぐに剥がれてしまい、

粘着力が強いテープだとはがれる際に亀裂まで持っていかれて逆効果。

 

結局、ちょこっとやすりで削ってから瞬間接着剤を上から多めに塗る

という方法で伸びるまで乗り切りました。

普段ネイルアートとかしないから適切な爪のケアが分からん…

 

ところで、がん治療の際に抗がん剤で爪に変化が生じることが多くあります。

爪がもろくなって割れてしまったり、二枚爪になったり、剥がれてしまったり。

黒っぽく変色してしまったり。

病院や製薬会社のパンフレットでは「ネイルケアをしましょう」と

簡単に書かれていることも多いのですが、

普段ネイルケアなんて大してしてない人(私です)からすると、

ネイルケア?何するの?ってなります。

この大鵬薬品のHPは分かりやすい方。

SURVIVORSHIP.JP -がんと向きあって-|抗がん剤治療と皮膚障害|一般的なケア スキンケアの継続が大切です|爪のケアについて

 

普段ネイルケアにご縁の無い者でも、

ネイルケアがとってもわかりやすいなって思ったのがこの本です。

大学病院でカバーメイク・外見ケア外来を開設されている医師と、

プロのネイリストがタッグを組んで作られた、

がん治療によって生じる爪トラブルのケアに特化した本です。

アピアランスケア:

医学的・整容的・心理社会的支援を用いて、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するケア

アピアランス(外見)ケアとは? | 国立がん研究センター 中央病院

 

オールカラー図解で、写真がたっぷり入っていてとっつきやすい。

プレスリリースを見ていただくと中身の雰囲気がわかると思います。

『がん治療における爪のアピアランスケア』7月11日発売!抗がん剤副作用で多くの患者が悩む「爪のアピアランスケア」に特化した、初のオールカラー専門書。 | 河出書房新社のプレスリリース

 

保清・保湿・保護のような毎日やることから、

やすりで削るファイリング、

キューティクルケアやカラーリングがプロセスごとに掲載されています。

「タッチング」の一連の流れを寝る前に子どもに試してみましたが、

一瞬で寝落ちましたよ。(疲れてただけかな?)

 

がん患者さんだからと特別なことをする訳ではないんですね。

「ネイルケア」と聞くと、

ネイルアートのような「美しくして楽しい気分になる」ことを想像しがちですが、

普段の生活で求められていてこの本で紹介されているのは

「生活しやすい爪」「指や爪の悩みが軽減されること」。

そして、ケアされた爪はそれだけでアートが施されていなくても「美しく」見えます。

そのために必要なケアがこの1冊にわかりやすく凝縮されています。

 

また、水性ポリッシュというのがあると知ったのもこの本のおかげです。

私、マニキュアを塗るときの有機溶剤と除光液のアセトンの匂い、

あとマニキュアを剥がした後のカッサカサの爪が嫌いなんです。

でも水性ポリッシュだと有機溶剤を含まないので刺激臭が少ない、

除光液を使わずともお湯で落とせるとか。

ここまで書いて気付いたのですが、

子ども用の「はがせるネイル」って水性ポリッシュのことですね。

数年前にこんなのを子どものクリスマスプレゼントにしてましたわ。

 

スペシャルケアじゃなく、

普段のデイリーケアが大事ということを改めて知ることができました。

というかこの本を読んで、普段からのネイルケアやってみたくなった!

 

ご近所にアピアランスケアに取り組んでるネイリストさんっているのかな?

調剤薬局で細やかなネイルケアの指導を薬剤師が行うのは

時間の関係で難しいかもしれないけれど、

ご近所の相談できるネイリストさん情報の発信などをしてくれたらよいなあと思います。

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