この本の表紙、素敵ではないですか?!
のっけから表紙の紹介ですみません。
真っ青な空に雲、雲のかなたにたたずむお城、
手前には虹、空飛ぶ車に乗った男の子。頭にはウサギ。
書名よりも何よりも表紙に目をひかれて手にとりました。
表紙だけ見て選んでしまった本ですが、中身も素敵!
「ライフキャリアから診る」の言葉の重みに気付かされる1冊です。
1型糖尿病自体は、仕事でも関わったことがありましたし、
身近な人がリアルタイムCGM+インスリンポンプで治療をしているので
多少なりとも知ってはいる…つもりだったんです。
それでも前半の「1型糖尿病治療の理論Up-to-Date」の章は
知らないことがいっぱい。
特に運動の項!
無酸素運動によってアドレナリン上昇→血糖値上昇につながるから、
ボディビルダーはトレーニング前に追加インスリンを打つことがあるなんて
知らなかった…。
つい薬の知識に偏りがちですが、
食事や運動も正確な知識をつけないといけないなと思い知らされました。
この本の「キモ」となるのは
後半の「1型糖尿病を取り巻く社会環境」「1型糖尿病治療の実際」です。
仕事を選ぶときに1型糖尿病がどのような影響を及ぼすのか。
結婚は?妊娠、出産にどう影響するのか?
住宅ローンを組むときに1型糖尿病がどう影響するのか。
団体信用生命保険(団信)には入れなくてワイド団信にしか入れず、
金利が0.3%上乗せされてしまうとかリアルな話が展開されます。
著者の先生(ご本人も1型糖尿病)が実際にマイホームを購入しようとしたときの
シミュレーションも示されていて、
金利が0.3%上乗せされたら毎月4,100円、総額172万円が上乗せされてしまう!
実際の数字で見せられるとリアルです。
当然のことではありますが、
患者さんは一人の人間であり、それぞれのライフキャリアがあるうえで
荷物の一つとして「糖尿病」を持っているにすぎないんですよね。
あくまで荷物の一つ。
ただ「糖尿病」という荷物を持っているだけなのに
糖尿病がその患者さんの全てであるかのように考えていないか…?
と自問自答させられました。
この本の前書きに書かれている、
糖尿病患者さんは“diabetic patient”ではない、
“a person with diabetes”である、という理念がこの後半部分に凝縮されています。
前書きは出版社さんのHPで見ることができますのでぜひ。
一人ひとりが持っている「荷物」を少しでも軽くできるよう、
「薬」を中心にお手伝いをできるような仕事がしたいなと思います。
ところでこの中外医学社さん、
個人的に好みの本が多いのです。
愛読者が多い「抗菌薬の考え方、使い方」は言わずもがな*1、
前にとりあげた「これからの切迫早産管理」、
「医学用語の考え方、使い方」も中外医学社さんです。
そんなに厚くないのに、考えさせられることが多い、
読み終わるのに時間がかかる本が多いです。
最近では「J-IDEO」なんかもおもしろく読んでます。
陰ながら応援している出版社さんです!
*1:初めて買ったときはver.3だったのにふと手元をみたらver.5!
