23年って長いですよね。
初版が出た頃に産まれてこの本のお世話になった赤ちゃんは、
今頃立派な大人になっていることでしょう。
東京都病院薬剤師会が編集する「授乳婦と薬」、待望の第2版です。
いや、もう改訂されないものと思ってた。
あの黄緑色とピンク色の表紙で終わるものだと思ってた。
それがイマドキなデザインで帰ってきました!
この20年、南山堂の「妊娠と授乳」などよい本も出たし、
大分県の「母乳と薬ハンドブック」(なぜか購入ページは消えてしまったけど…)など
よい資料も出てきた。
しかしながら、個々の薬剤の細かい資料を1冊にまとめてあるという点では
この本に勝るものはないと思います。
だからこそ、23年ぶりに改訂されたのがとても嬉しいです。
基本的な構成は初版と変わりません。
色使い等がとても見やすくなりました。
(初版は白黒でした…よね?)
添付文書→薬物動態→ヒト母乳への移行に関する情報と乳児への影響(RID含む)→「情報の評価」の順です。
「情報の評価」はBriggs(Drugs in Pregnancy and Lactation)、Mothers'Milk、LactMedに記載の内容です。
この3点のSummaryが一目でわかるのありがたいー!
妊婦・授乳婦に関しては添付文書が有用な情報源とは言い難いからこそ、
このような書籍が改訂されるのはとても嬉しいです。
日本語書籍ならば、
妊婦に関しては「実践 妊娠と薬」、
授乳に関してはこの「授乳婦と薬」、
疾患に関して全般的に調べたければ「薬物治療コンサルテーション 妊娠と薬」
があればいいんじゃないかなと思います。
「妊娠と薬」は現在の第2版が出たのが2010年なので、
そろそろ改訂されてもよい頃かと思うのですが、
こちらも初版から第2版まで18年かかっていますのでもうしばらく待ちましょう…。
そう考えると数年ごとに改訂されるBriggsやMothers'Milkは化け物ですね。
しかし、Briggsは高いし異様にでかいし、
Mothers’Milkは高いくせにペーパーバックで紙質最悪(と言いつつ嫌いではない)。
まずは日本語書籍+LactMedで。
「今日の治療薬」にも各薬剤についてオーストラリア分類とBriggs分類が載ってるけど
どういう根拠でその分類になってるのか、を知ることは必要と思います。
この分野ももっと勉強したいけどなかなか追いつけない悩ましい分野です。
追記:マザーズミルクは翻訳版が存在するのですね。知らなかった!