薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

本を薬学にこじつけて紹介します

「読書は紙」派の私の世界が広がった―『子どもが 「近視」 と言われたら』を読んで

私、本を読むときは断然「紙」派です。

それはなぜか。

理由はいろいろ思いつくのですが、

私にとって一番大きいのが

本の厚みを感じながら読めることです。

 

紙の本を読むとき、

全体のボリュームや今どのあたりを読んでいるかは

見た目や手触りで無意識に判別しています。

 

途中で前の章を参照したくなったときも、

「このあたりかな」というのが手触りで分かります。

 

電子書籍だと、その情報がまるっと抜けてしまうんですよね。

全体の今何%です、とかあと何分で読み終わります、とか教えてはくれるのですが、

手触りがないと本を読んだ気がしない。

 

一方で、電子書籍でもするっと読めるもの。

それが私の場合は軽めのマンガやコミックエッセイ、「なろう」系の小説のような、

あまり頭を使わずに読めるものです。

なのでKindleUnlimitedは主にそういうものとか

雑誌、レシピ本などを中心に使ってきました。

 

電子書籍で読むもの、読まないものを割ときっちり分けていた私ですが、

今回読んだこの本で思いがけず電子書籍のメリットに気付くことになります。

Xで有名なドクターK@眼科医パパさんが出した2023年の本ですが、内容は古くない。

強いて言えば、

リジュセアミニ点眼液(アトロピン0.025%)が発売前だから商品名が出てこないくらい。

今の時期、子どもの学校での眼科検診が終わって

「受診のお知らせ」みたいな紙を持って帰ってくる頃ではないですか?

「うちの子、いつの間にこんなに目が悪くなってたの?!」

と思ったそこの保護者におすすめです。

*2026/7/10現在、KindleUnlimitedで読めます

 

この本、参考文献がPubMedのURLリンクとして巻末で一覧になってるんです。

なので、気になった文献にすぐ飛べる。

紙の本だと、そもそもPMIDが書いてないことが多いので

文献を探す手間が生じます。

電子書籍だったらタップするだけ。

いやー楽ですねー、楽ですねー。

理想をいえば本文中の(参考文献3)みたいな表記から

直接飛べたらいいのになーと思うんですが、

末尾にまとまってるだけでも十分です。

 

なるほど、すぐに該当文献に飛べるというのは電子書籍の大きなメリットですね。

検索もできますしね。

専門書や調べもの系の本は電子書籍と意外と相性がよいのかもしれない。

他の本でも電子書籍の良さを生かせるものがないか、

チャレンジしてみようと思います。

 

よければこちらもどうぞ

ドクターKさんの最新刊も気になっている。

とあるXのポストから生まれた、『#3大やめとけ』。

高温多湿の国へようこそ―『イタリア人の僕が日本で精神科医になったわけ』

先週はヨーロッパが熱波に襲われたとの報道がありました。

パリの6/24の最高気温は39℃!*1

ただ、このときの湿度をみると27%。

関東の真冬より湿度低いではないですか。

※データは下記サイトを参照しました。

Past Weather in Paris, Paris, France — Yesterday or Further Back

 

東京だと真夏の湿度は平均で70~80%、

最小湿度でみても40%を下回ることはほとんどありません。

気象庁|過去の気象データ検索

 

数年前、某海外製のプロテインバーから虫が出てくる

という報告が相次いだことがありました。

そのプロテインバーはヨーロッパ製。

企業からの説明は、輸送中に発生した事故であり、

対策として今後は冷蔵で商品を輸送します、というものでした。

ただ、輸送中は冷所保存としても

日本に到着してユーザーの手元に渡った時に果たして冷所保管されるのか。

夏でも湿度27%とかいう環境での使用を想定して作られた製品が、

日本の高温多湿の夏の使用に耐えうるのか。

 

海外と日本では品質管理の基準が大きく違うという話は、

医薬品産業でもしばしば話題にあがります。

日本の基準は厳しすぎると言われることも多々あります。

品質に求める基準が日本は非常に高いんだろうと漠然と思っていたのですが、

湿度27%という数字をみて、

ヨーロッパだとそもそも想定している「日常」の基準が全く違うんだろう、

と思い知らされました。

 

そんな中読んだのがこの本。(2026/7/4現在、KindleUnlimitedでも読めます!)

なぜイタリアからわざわざ日本にきて精神科医に?!

とタイトルだけでもう読むしかないと思わせてくれる本。

日本に来るまでのくだりもとてもおもしろいのですが、

「初めての日本生活」という章でやっぱり出てくるのが湿気問題。

1ヵ月で布団にカビが生えたとか、

夏には家具にもカビが生えたなどのエピソードが出てきます。

いや、夏でも湿度27%のエリアからいらっしゃったら、

日本ってとんでもない気候の国ですよね。

27%だったら家具にカビが生えるなんてきっとありえない。

全く環境が違う国にきて、住んで、生活するってすごいことだと思います。

そして、こんな過酷な気象環境のなか働いて、生活している私たちもすごい。

こんな過酷な環境で使用に耐えうる製品を作って販売するメーカーもすごい。

もうみんなすごい。

海外から来たドクターの本を読んで、

日本の当たり前は世界の当たり前ではないことに気付きました。

来週から本格的に暑くなるようです。

熱中症に気を付けて、長い夏を乗り切りましょう!

 

よければこちらもどうぞ

答えは?「40℃超えの日本列島でヒトは生きていけるのか」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

医薬品の加速試験(通常より高温・多湿環境での医薬品への影響を見る試験)の条件って、

40℃・75%湿度で行われることが多いのですが

それにだんだん日常が近づいている気がする。

*1:報道では過去最高の40.3℃を記録と言われてますね

2026年7月発売の薬剤師関係の雑誌

大きな地震はあるし

というか数分前に緊急地震速報鳴ってびびりまくったし

台風はダブルで来るし

(1つは本州に近づく前に熱帯低気圧に変わるって言ってなかった?)

6月なのに妙に涼しいし

いったい今年の6月はなんなのでしょうか……

 

さて、7月の雑誌です!

月刊薬事

7月号の特集は「からだで何が起きている? 伴走する炎症性免疫疾患の薬物療法」 

https://www.jiho.co.jp/products/93649

薬局

7月号の特集は「抗体医薬入門 基礎編 抗体を知れば,抗体医薬がわかる」 

南山堂 / 月刊誌「薬局」 / 2026年7月 Vol.77 No.8

調剤と情報

7月号の特集は「夏風邪と感染症」 

https://www.jiho.co.jp/products/94418

治療

7月号の特集は「【第1特集】からだとこころの診療を整理する/【第2特集】気候変動時代の感染症 総合診療医のための新しい臨床地図」

南山堂 / 月刊誌「治療」 / 2026年7月 Vol. 108 No.8

見どころ

7月はやっぱり「薬局」かなあ。

抗体製剤、次々に出てくるし名前似てるし…もはや追いきれない!

「薬局」は次のような構成らしいので期待してます。

「抗体の基礎知識から抗体医薬の基本がわかる内容」「従来薬と比較した際の抗体医薬の特徴」「新しいかたちの抗体医薬のしくみと臨床上のポイント」の3つから構成されます.

 

あとは「調剤と情報」!

夏風邪と感染症ってそれだけで特集組めるの…?と心配になってしまいますが、

執筆者が豪華。

感染症の有名人のお名前が並んでます。

ところでハンタウイルスってどうなったんですかね…

そしてハンタウイルスって何だったんですかね…

 

また「治療」の第二特集は

「気候変動時代の感染症 総合診療医のための新しい臨床地図」なのですが、

序文に壮大なことが書いてある。

今,求められているのは「プラネタリーヘルス」という視座から感染症を捉え直し,臨床の現場に新たな意味づけを与えることである.

「プラネタリーヘルス」とは

「人や動物の健康と地球の健康のつながりを重視し、それらを総合的にとらえ社会・経済・生態系にアプローチしていこうという考え方」*1

です。

どんな特集なんだ…?

「治療」編集部さんのnoteがあるので、

読んでから雑誌に挑もうと思います。

【最新号紹介】治療(CHIRYO)7月号 からだとこころの診療を整理する/気候変動時代の感染症|「治療」編集部(南山堂)

 

月刊薬事は特集もさることながら、

ホームページを見てると出てくる

増刊号の「DI室への問い合わせを生成AIに聞いてみた(仮)」がとても気になる。

DI室への問い合わせを生成AIに聞いてみた(仮) – 株式会社じほう

AIはそれっぽい答えを出してくるけど

それをどう情報提供するかどうかは人間なわけで、

その塩梅をどうするのか学べることを期待。

 

しかし7月増刊号なのに書影も出てない、

タイトルは(仮)…、いや(仮)も含めてタイトルなのか…?

本当に発刊されるのか心配になってしまうw

 

暑くなる時期です。

熱中症に気を付けて本を読みましょう!

 

私は先読み派、友人は落書き派、我が子はわかめ派―「読書嫌いを覚醒させる至高のブックリスト」

学生時代、授業に飽きた時に何をしてましたか?

 

私は教科書の全然違うページを読む派でした。

国語も社会も理科も、ずいぶん先のページを読んでたりしました。

 

友人は落書き派で、

化学の教科書のアボガドロの顔がとんでもないことになってました。

うちの子も国語の教科書の

「人間はわかば」という詩の一節の「ば」を「め」に書き換えて、

「人間はわかめ」にして大笑いしてたのを見ると落書き一派でしょうか。

 

少し前にXで以下のようなポストが話題になりました。

国語の授業中に先生の話を全く聞かずに「ごんぎつね」のページを読んでいるのも多動の一種だそうです

それ、私よ私!と思ったのですが、

そういう人ってだいぶ多いと思うんですよね。

上記のポストにも私も!ってコメントが結構多くついていました。

 

これが「多動」にあたるかどうかはよく分からないのですが、

別のページを読みふけるパターンの人は

「読むこと自体は好き」「飽きちゃうと興味を失う」っていう性質の方だと思います。

だからパラパラっとページをめくって目に入ったものに飛びついてしまう。

そういう意味では頭の中は大忙しなのかもしれない。

ちなみにAudibleは私には全く合いませんでした。

目で!文字を!読みたい!という思いにかられてイライラしてしまった(笑)

 

多動やADHDの方がどのように本を読んでるのか知りたくて読んだのがこの本。

著者は横道誠さんというドイツ文学者の方です。

40歳でADHDおよびASDの診断を受けたそう。

ADHDによって読書が困難なこと、

ASDによって読書に対する執着があること、

その両者が行きついた先がドイツ文学者と考えると

これまでどうやって本を読んできたんですか??と聞いてみたくなりますよね。

横道誠 - Wikipedia

 

著者が横道さんということでADHD/ASDの方がどう本を読むのかという話かと思いきや、

中身は読書マニアが贈る「読書へのいざない」本でした。

 

この本の、一目見て「信頼できる!」と思った点。

まえがきで、「ここで本書の構造について、見通しを与えておきましょう」として

全体の流れの説明がされてる。

かつ、「基本的には興味のないあたりはどんどん飛ばしていただいて大丈夫」

って堂々と記載されてるんです。

 

国語の教科書でも課題図書でもそうなんですが、

興味のない文章を読むのってとても苦痛です。

小説でも間延びしてくるあたりで読むのを断念してしまったことが多々あります。

その点をまるっと包み込んでくれるこの文章。もう好き。

 

最初に紹介されるのは絵本。

絵本ならね、短いからちょっとイマイチ、と思っても最後まで読めますよね。

「100万回生きたねこ」や「そらいろのたね」のような名作から、

比較的新しい阿部海太さんの「みち」まで。

「みち」、読んだことないけど興味が出てきちゃいました…!

だって「こんなに痺れる絵本に出会えるのは、一生のあいだでも稀なことです」

とまで書かれてるんですよ!

近いうちに読んでみたい。

みち

みち

Amazon

 

絵本の次はマンガ。

11人いる!とかね、昔読みましたね。

マンガが面白い国に産まれてよかったー!

 

その次は児童文学。

星新一に、ムーミン、アルジャーノンに花束をとか、

うちの子もそろそろ読めそうかな?という本が並びます。

そーっと子どもの本棚に差し込んでおきたい本がたくさん。

 

児童文学の次はノンフィクション、小説、学問に触れる と進んでいきます。

正直、紹介される本の中には私にはちょっとレベルが高すぎそうだな…

としり込みしてしまう本も多いです。

でも、きっとどのレベルの人にとっても世界を広げてくれる本たちが紹介されています。

 

ところどころに「読めない人のためのQ&A」という項があります。

集中して物語を読み続けられない、10分も立たないうちにスマホをいじってしまう とか

昔の人の文体が難しくて読めないけど解決方法は、とかがあるのですが、

私が好きなQはこれ!

ホラーやグロといったジャンルの小説ばかり読んでしまうのですが、私はヘンなんでしょうか?

回答の冒頭だけ紹介すると、

「とても良いことです。」で始まります。

回答の続きはぜひ本書で読んでほしいのですが、

現実にはあり得ない世界に潜れることって読書の大きなメリットですよね。

 

暑くなってきたことですし、

涼しい部屋で本でも読みましょう!

よければこちらもどうぞ

何のために読書するの?という人にはこれもおすすめ

「面」を作るために私は本を読む「読書する人だけがたどり着ける場所」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

「読書嫌いを覚醒させる至高のブックリスト」と同じちくまプリマー新書。

夏休みこそ話し合いたい「子どものおしゃれにどう向き合う」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

「積ん読」もまた読書の一種だと思ってる。

雑多な本棚は自分専用の図書館「積ん読の本」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

 

みんなもっと軽率に理系を選んだっていい―岩波ジュニアスタートブックス読んでみて!

理系に行ったからには研究者にならなくてはと思ってました。

私が高校生の頃の話です。

 

いざ理系に進んで、大学を出て、就職して。

研究者にはなりませんでした。

でも毎日楽しく生活して、仕事して、本を読んでいます。

 

高校生の時に描いていた未来とは違うけれど、

理系に進んでよかったなと思っています。

 

もし、理系に興味があるけど何らかの理由でためらっている、

という中高生がいたらぜひ読んでほしいのがこの2冊です。

 

「なぜ私たちは理系を選んだのか」はアナウンサーの桝太一さんが、

7人の方々にインタビューしています。

その7人は、大学は理系、その後さまざまな分野で活躍しているという方々。

宇宙飛行士の山崎直子さん、

小説家の海堂尊さん、

ラグビー日本代表主将の廣瀬俊朗さん。

ディズニーランドで働く人や博物館・水族館勤務の方、YouTuberまで。

 

前書きで桝太一さんが、

理系大学院まで出た「のに」なんでアナウンサーになったのかと聞かれる、

もし私が文系だったらおそらく「のに」の二文字は入ってこなかったんじゃないか、

ということを書いています。

 

理系って、医歯薬看護学部のように資格と直結する学部があるせいか

就職したら大学で学んだ関連の方面で働くもの、って思われてるし

自分たちでも思い込んでる気がするんです。

 

でも周りを見てみるとそんなことはない。

大学の同級生を見ても、もちろん病院や薬局で薬剤師として活躍してる人もいるけど、

なぜその仕事⁉という人もいます。

多分私も周囲からみたらそう思われている。

なぜそのお仕事を?ということや

中高生時代の得意科目や文理選択のきっかけが

インタビュー形式で示されているすごく読みやすい本です。

 

2冊目の「『好き!』の先にある未来」は

1冊目の「なぜ私たちは~」に近いけれど

女性の、かつおそらく2~30代の若い方のお話です。

中高生からしたらより身近な存在ですね。

インタビュー形式ではありませんが、11人の先輩方がなぜ理系を選んだのか、

どうやって今の仕事に就いたのかが紹介されています。

お茶の水女子大学で行われたイベントを基にした本らしく、

おそらく全員お茶の水女子大出身の方なのかな?

 

11人の方、いろいろな仕事についていらっしゃるのですが

私が一番なぜ?!と思ったのは

生物学専攻で、今はベネッセコーポレーションでマーケティングをやっているという方。

いやなんで、生物学で大学院に行ったのに、

ベネッセでマーケティング!?って思いますよね。

あ、私も「のに」って言ってしまった。

この方自身も「教育業界で仕事をするなどとは思いもしなかったこと」と言っています。

私が好きなのはこの方の文章の最後にある言葉。

その時々で自分の本当の気持ちに正直に向き合い、大切に通過してきた「点」には、何1つとして無駄なものはなかった

 

そうやって通過した「点」同士を結び現れた「線」こそが、私たちが進むべき道を確かに一歩ずつ歩んできたことを教えてくれるのだと思います

 

子どもを育てていて、

つい「最短距離」を探そうとしたり、そちらに誘導しようとしてしまってるな

と思うことがあります。

 

でも一番大事なのは本人の「ワクワク」なんですよね。

たどりつくポイントは同じかもしれないけど、

回り道が本人にとってはとても楽しい道かもしれない。

本人の「ワクワク」できる道を探せるよう、見守っていきたいな

とこの本を読んで改めて思いました。

 

2冊どちらにも共通するのが、

意外と数学は苦手って人が多いな?!ってことです。

「なぜ私たちは~」のほうは数学が得意だった!というのは7人中お一人だけ。(ラグビー日本代表主将の廣瀬俊朗さん)

「好き!の先にある~」のほうは最初から数学が好きというのは11人中3人。

 

私が高校生の頃、

「数学が苦手だから理系をあきらめた」って話を周囲でよく聞いたのですが、

そんな方に「なぜ私たちは~」でインタビューに載っている田島木綿子さん(国立科学博物館)のこの言葉を贈ります。

受験に必要な科目は、苦手とか苦手じゃないとかではなく、やるしかないんです。

(中略)

なんとかこれを実現したい!っていう岐路に立った時は、嫌いだとか苦手だとか考えちゃいけないと思うんですよね。

越えなければいけない壁を乗り越えてこそ、そこに楽しい何かが待っているわけで…。

苦手な科目ってしんどいですよね。

私も、化学は大好きでしたが数学が苦手だったので気持ちはよく分かります。

でも、そんな嫌いなやつのために好きなものをあきらめるのは違う。

やりたいことのために必要なんだったら、やるしかないですよね。

今だったら自信をもってそう言えます。

 

みんな、将来の職業とか、数学が苦手とか

そういう細かいことは抜きにしてもっと軽率に理系を選んでいいと思うんです。

 

「これが好き」で進路を選ぶ中高生が増えるのを楽しみにしています!

よければこちらもどうぞ

桝太一さんのもう一つのインタビュー本。

薬剤師は街のサイエンスコミュニケーター? 「桝太一が聞く 科学の伝え方」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

理系に女子が増えてくれるといいのにな。

あの日、大教室に女子は数人だった―「なぜ理系に女性が少ないのか」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

とても楽しそうな理系の人の話

理系をプロトタイプで語るな「理系研究者の『実験メシ』」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

桝太一さんは理系の勉強が苦手で国語や社会が得意、いわば「心は理系・体は文系」だそうです。

薬学部は理系なのか?「理系あるある」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

 

雑誌のインタビュー記事ですが…

ピアニストの角野隼人さんも理系ですね。

東京大学大学院情報理工学系研究科修了!

音楽と研究の共通点を語ってます。

東京大学のあの先輩たちが選んだ道って?角野隼斗 | ブルータス| BRUTUS.jp

おまけ

今回の2冊は「岩波ジュニアスタートブックス」というシリーズの中の2冊です。

「岩波ジュニアスタートブックス」とは

  • 中学生が自分の可能性を広げていくためのシリーズです
  • 「自分で考える力」を養う視点を提示します
  • 「正解のない問い」への答えをいっしょに探ります
  • 新しい世界を知り、興味や関心を広げることを応えんするシリーズです

だそうです。

近所の図書館に「ティーンズコーナー」という中高生向けの本を集めたコーナーがあります。

そこに並んでいたのがこのシリーズ。

この2冊のほかにも我が家の子どもたちにも読んでほしい本がちらほら…

何冊か購入して、こそっと本棚に入れてみましたが読んでくれるかな?

2026年6月発売の薬剤師関係の雑誌

6月は早々に台風がきて大変でしたね。

関東は来週にも梅雨入りとか。

 

さて、6月の雑誌です!

月刊薬事

6月号の特集は「併存疾患もまるごと最適化しよう 持病のある患者ががんになったら」

月刊薬事 2026年6月号(Vol.68 No.8) – 株式会社じほう

薬局

6月号の特集は「現場のリアルを「薬学」する 向精神薬の適応外使用」

南山堂 / 月刊誌「薬局」 / 2026年6月 Vol.77 No.7

調剤と情報

6月号の特集は「こっそり学び直したい薬剤師のためのホルモンの学校 2限目:副腎皮質ステロイド(内服)」 

調剤と情報 2026年6月号(Vol.32 No.7) – 株式会社じほう

治療

6月号の特集は「【第1特集】ハイエンド診察/【第2特集】児童虐待対応 現在地とプライマリ・ケアでできること」 

南山堂 / 月刊誌「治療」 / 2026年6月 Vol. 108 No.7

 

見どころ

6月はどれもなかなか興味深い。

 

月刊薬事は「持病がある患者ががんになったら」。

私が絶対に読むぞ!と思ってる記事は「糖尿病患者が、がんになったら」。

 

糖尿病治療ガイドライン2024によると、

がん患者が併存疾患として糖尿病を有する割合は20.7%だそうです。

https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/22.pdf

がん化学療法ではレジメンにステロイドが入ってることもあり、

制吐療法にもステロイドががっつり入ります。

ステロイドを減らして吐き気が強く出ちゃったら元も子もないし、

ステロイドで血糖は上がるだろうし…

患者さんお一人お一人に合わせて、としか言いようがないのだと思いますが、

難しいテーマです。

 

「薬局」はこれまた気になる「向精神薬の適応外使用」!

がんの制吐療法つながりでいえば、

オランザピンは少し前までは制吐療法には適応外使用でしたよね。

今は公知申請により添付文書に載るようになりました。

「適応外である」というリスクを超えて、

使う/使わないのジャッジをどこでつけるのか。

そこが分かる特集であることに期待。

 

「調剤と情報」はホルモンの学校…ってあれ?前もやらなかった?

と思ったら前回は2025年5月、1限目:女性ホルモン・男性ホルモンでした。

調剤と情報 2025年5月号(Vol.31 No.07) – 株式会社じほう

今回は経口副腎皮質ステロイド。

前回もなかなか良い特集だったので今回も期待。

そういえば医学書院のmedicinaが5月号はステロイド特集でした。

正確には「グルココルチコイド・免疫抑制薬・分子標的薬 Up To Date」。

medicinaはいつも読む雑誌ではないのですが、

何号かに1号はこういう薬に特化した特集を組んでくれるんですよね。

雑誌名の響きが好きです。メディチーナ。

 

最後は「治療」。

児童虐待対応とはこれまたタイムリーというか何というか…

これ以上はちょっと控えておきます。

 

もう30℃超え連発の地域も出てきてますね。

エアコンの試運転はお早目に!

我が家はエアコン起動したら水が垂れてきて大変なことになりました(T T)

防火帯建築とかけて長期収載品ととく「横浜防火帯建築を読み解く」

私の大好きな有隣堂のYouTubeで、だいぶ前に

「有隣堂 伊勢佐木町本店の世界」というのがあったんです。

youtu.be

神奈川大学の建築学科の中井邦夫教授(唯一の趣味は街中の建物をグチグチ言いながら見ること!)が、

横浜の有隣堂 伊勢佐木町本店の現在の建物に文句をつけまくる!という回です。

 

いや、グチグチ言いたくなるのが分かるほど、

昔の有隣堂 伊勢佐木町本店の意匠がすばらしい!

1956(昭和31)年築なんですけどね、

信じられないくらいオシャレなんですよ。

 

どのくらいオシャレかはもうこのYouTube見てください。

 

動画のなかで文句をつけまくってる中井邦夫教授は

「横濱建築」という素敵な本も出してるんですが

今回私が読んだのはこっち。

防火帯建築とは、

都市の防火を目的として、1952年に施行された耐火建築促進法に基づき指定された防火建築帯内に建設された主に3、4階建ての耐火建築物

だそうです。

横浜固有の戦後建築遺産である「ハマの防火帯建築」を芸術不動産として民間主導により活用していく取組を始めました! | 横浜市のプレスリリース

 

そんな防火帯建築について解説されたこの本、

建築とか都市計画とかの素人にはちょーっと難しい本なんですが、

第3章の「横浜防火帯建築の空間を読む」を中井邦夫先生が執筆されてるんです。

文章のテイストがYouTubeそのまま!

伊勢佐木町のご近所にある吉田町にあるビルを

ニューヨークのタイムズ・スクエアばりというと相当言いすぎかもしれないが

とか。

写真で見る限り、言いすぎだと思う(笑)

だって、これですよ?(下記URL参照)

タイムズ・スクエア…?

(今はデザイン変わってるようです)

https://www.homes.co.jp/archive/b-7009244/

 

この本に出てくる防火帯建築は住所を見ると有隣堂本店のすぐそばのものが多い。

横浜の古い建築というと赤レンガ倉庫とか神奈川県庁とかを思い浮かべますが、

この本に載ってるのはもっと市井の人々の「暮らしの場」としての建築です。

どれも、暮らしてる人の息遣いが聞こえてくるような建物。

 

そんな建物もだんだんと建て替わって新しいビルに変わりつつあります。

だって、建てられたのが昭和20~30年代。

数十年前に防火帯建築に住んでたという人の話を聞いたことがあるのですが、

その当時から水回りがちょっとね…大変だったよね…という内容でした。

 

防火帯建築ではないと思うのですが、

有隣堂本店のそばの不二家も取り壊しになってしまいました。

www.tokyo-np.co.jp

東京では昨年帝国劇場が、大阪でも松竹座が今月閉館になりましたね。

 

耐震性の問題などを考えると仕方がない。

でも、古い建築が失われるとき、

無くなるのは建物そのものだけではないと思うんです。

その建物に集った人々の思い出に建設当時の技術や意匠、

その建物がある風景が作る町の空気感もまるっと無くなってしまう。

 

そんなことを思いながら読んでいて、

ふと思いついたのが医薬品の長期収載品でした。

長期収載品とはざっくり言うと後発品が存在する先発品のこと。

長く医療現場で使われてきた薬たちですが、近年販売中止が相次いでいます。

最近一番衝撃だったのはブスコパン錠10mgの中止。

あんなに有名な薬が、無くなる。

少し前ですが、デルモベート軟膏やキンダベート軟膏の中止も驚きました。

 

2年前の選定療養費制度*1導入から、特に販売中止が増えている印象です。

選定療養費制度導入によってさらに長期収載品(先発品)のシェアが下がる

長期収載品だから薬価も安い

やめちゃえ!

って企業の判断として当然だと思います。

そして市場には後発品だけが残ります。

 

先発品には開発時の情報や、

上市してからも使用方法や安全性など、

メーカーがお金をかけて収集して積み上げてきた情報があります。

また、「この薬のことはあの人に聞けば何とかなる」みたいな人がたいていいます。

 

長く製造していれば製造ノウハウなどもあるはずです。

オートメーション化が進んで、製造の現場は均一化されている…と思いきや

古い薬ほど「コツ」みたいなのがあるんですよね。

 

その先発品が販売中止になると、

それらの情報は後発品メーカーには基本的には引き継がれません。

先発品の添付文書やインタビューフォームだってオンラインでは見られなくなるので、

今までのように見たいときに見るというわけにはいきません。

ましてや、外部公表されていない情報や文書化されていない情報は言わずもがな。

 

先発品が中止されたあとに後発品を使用していて知りたいことがあって、

十分な情報が得られなかったとしても

先発品メーカーはおそらく回答してくれません。

そのうち先発品メーカーでも人は入れ替わり、資料は散逸し、

そんな製品を売っていたことを知る人も少なくなっていく。

 

レガシーとして細々と販売されていくのが、

情報保全という観点からは理想かもしれません。

ただ、残念ながら現代においてメーカーにそんな余裕はない。

ブスコパン錠なんて薬価1錠6.30円ですよ。

うまい棒より安いんです。

そんなものにコストはかけられない。

 

防火帯建築とかけて長期収載品ととく。

その心は

「失われるのはモノ(建物・薬)だけじゃない」

(初めてなぞかけしてみた)

 

医薬品情報という貴重な資産が目の前で失われていくこの現状、

どうにかならないんですかね。

とりあえずささやかな対抗策として、

販売中止が発表された製品のインタビューフォームは即ローカル保存しています。

 

※2026/6/18追記

今年の日本医薬品情報学会で

「どうする?長期収載品目撤退で古い薬の情報がなくなってしまいます!」って

シンポジウムがあるそうです。

学会としてもうやはりこの問題は危機感を持ってるんですね。

聞きに行きたい!

プログラム | 第28回日本医薬品情報学会総会・学術大会 | 株式会社インターグループ

よければこちらもどうぞ

中井邦夫先生の「きれいな」横濱建築本。

今(2026年春)なら有隣堂で購入すると特典がついてきますよ!

【有隣堂限定版特典つき】建築ファンを虜にした『横濱建築 記憶をつなぐ建物と暮らし』が、新たな限定特典とともに有隣堂各店にて販売開始 | 株式会社トゥーヴァージンズのプレスリリース

 

 

*1:2024年10月導入。患者が先発品を希望する場合に特別の料金がかかる制度