理系に行ったからには研究者にならなくてはと思ってました。
私が高校生の頃の話です。
いざ理系に進んで、大学を出て、就職して。
研究者にはなりませんでした。
でも毎日楽しく生活して、仕事して、本を読んでいます。
高校生の時に描いていた未来とは違うけれど、
理系に進んでよかったなと思っています。
もし、理系に興味があるけど何らかの理由でためらっている、
という中高生がいたらぜひ読んでほしいのがこの2冊です。
「なぜ私たちは理系を選んだのか」はアナウンサーの桝太一さんが、
7人の方々にインタビューしています。
その7人は、大学は理系、その後さまざまな分野で活躍しているという方々。
宇宙飛行士の山崎直子さん、
小説家の海堂尊さん、
ラグビー日本代表主将の廣瀬俊朗さん。
ディズニーランドで働く人や博物館・水族館勤務の方、YouTuberまで。
前書きで桝太一さんが、
理系大学院まで出た「のに」なんでアナウンサーになったのかと聞かれる、
もし私が文系だったらおそらく「のに」の二文字は入ってこなかったんじゃないか、
ということを書いています。
理系って、医歯薬看護学部のように資格と直結する学部があるせいか
就職したら大学で学んだ関連の方面で働くもの、って思われてるし
自分たちでも思い込んでる気がするんです。
でも周りを見てみるとそんなことはない。
大学の同級生を見ても、もちろん病院や薬局で薬剤師として活躍してる人もいるけど、
なぜその仕事⁉という人もいます。
多分私も周囲からみたらそう思われている。
なぜそのお仕事を?ということや
中高生時代の得意科目や文理選択のきっかけが
インタビュー形式で示されているすごく読みやすい本です。
2冊目の「『好き!』の先にある未来」は
1冊目の「なぜ私たちは~」に近いけれど
女性の、かつおそらく2~30代の若い方のお話です。
中高生からしたらより身近な存在ですね。
インタビュー形式ではありませんが、11人の先輩方がなぜ理系を選んだのか、
どうやって今の仕事に就いたのかが紹介されています。
お茶の水女子大学で行われたイベントを基にした本らしく、
おそらく全員お茶の水女子大出身の方なのかな?
11人の方、いろいろな仕事についていらっしゃるのですが
私が一番なぜ?!と思ったのは
生物学専攻で、今はベネッセコーポレーションでマーケティングをやっているという方。
いやなんで、生物学で大学院に行ったのに、
ベネッセでマーケティング!?って思いますよね。
あ、私も「のに」って言ってしまった。
この方自身も「教育業界で仕事をするなどとは思いもしなかったこと」と言っています。
私が好きなのはこの方の文章の最後にある言葉。
その時々で自分の本当の気持ちに正直に向き合い、大切に通過してきた「点」には、何1つとして無駄なものはなかった
そうやって通過した「点」同士を結び現れた「線」こそが、私たちが進むべき道を確かに一歩ずつ歩んできたことを教えてくれるのだと思います
子どもを育てていて、
つい「最短距離」を探そうとしたり、そちらに誘導しようとしてしまってるな
と思うことがあります。
でも一番大事なのは本人の「ワクワク」なんですよね。
たどりつくポイントは同じかもしれないけど、
回り道が本人にとってはとても楽しい道かもしれない。
本人の「ワクワク」できる道を探せるよう、見守っていきたいな
とこの本を読んで改めて思いました。
2冊どちらにも共通するのが、
意外と数学は苦手って人が多いな?!ってことです。
「なぜ私たちは~」のほうは数学が得意だった!というのは7人中お一人だけ。(ラグビー日本代表主将の廣瀬俊朗さん)
「好き!の先にある~」のほうは最初から数学が好きというのは11人中3人。
私が高校生の頃、
「数学が苦手だから理系をあきらめた」って話を周囲でよく聞いたのですが、
そんな方に「なぜ私たちは~」でインタビューに載っている田島木綿子さん(国立科学博物館)のこの言葉を贈ります。
受験に必要な科目は、苦手とか苦手じゃないとかではなく、やるしかないんです。
(中略)
なんとかこれを実現したい!っていう岐路に立った時は、嫌いだとか苦手だとか考えちゃいけないと思うんですよね。
越えなければいけない壁を乗り越えてこそ、そこに楽しい何かが待っているわけで…。
苦手な科目ってしんどいですよね。
私も、化学は大好きでしたが数学が苦手だったので気持ちはよく分かります。
でも、そんな嫌いなやつのために好きなものをあきらめるのは違う。
やりたいことのために必要なんだったら、やるしかないですよね。
今だったら自信をもってそう言えます。
みんな、将来の職業とか、数学が苦手とか
そういう細かいことは抜きにしてもっと軽率に理系を選んでいいと思うんです。
「これが好き」で進路を選ぶ中高生が増えるのを楽しみにしています!
よければこちらもどうぞ
桝太一さんのもう一つのインタビュー本。
薬剤師は街のサイエンスコミュニケーター? 「桝太一が聞く 科学の伝え方」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた
理系に女子が増えてくれるといいのにな。
あの日、大教室に女子は数人だった―「なぜ理系に女性が少ないのか」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた
とても楽しそうな理系の人の話
理系をプロトタイプで語るな「理系研究者の『実験メシ』」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた
桝太一さんは理系の勉強が苦手で国語や社会が得意、いわば「心は理系・体は文系」だそうです。
薬学部は理系なのか?「理系あるある」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた
雑誌のインタビュー記事ですが…
ピアニストの角野隼人さんも理系ですね。
東京大学大学院情報理工学系研究科修了!
音楽と研究の共通点を語ってます。
東京大学のあの先輩たちが選んだ道って?角野隼斗 | ブルータス| BRUTUS.jp
おまけ
今回の2冊は「岩波ジュニアスタートブックス」というシリーズの中の2冊です。
「岩波ジュニアスタートブックス」とは
- 中学生が自分の可能性を広げていくためのシリーズです
- 「自分で考える力」を養う視点を提示します
- 「正解のない問い」への答えをいっしょに探ります
- 新しい世界を知り、興味や関心を広げることを応えんするシリーズです
だそうです。
近所の図書館に「ティーンズコーナー」という中高生向けの本を集めたコーナーがあります。
そこに並んでいたのがこのシリーズ。
この2冊のほかにも我が家の子どもたちにも読んでほしい本がちらほら…
何冊か購入して、こそっと本棚に入れてみましたが読んでくれるかな?