薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

本を薬学にこじつけて紹介します

今週の気になる本|2026/10/28

「今週の気になる本」、うっかり3週間あいちゃいました。

メモがたまってあら大変。

1.ネタ元は本のうしろの方

本の後ろのほうに、同じ出版社の新刊とか、同じ著者の本とかの紹介が入ってることありますよね。

あれ。

「満月が欠けている」を読み終わって、

後ろのほうを見たら「叢書クロニック」ってシリーズの紹介があったんです。

「語りを通して病いの意味と健康の多様性をとらえ直す」シリーズだそうです。

「満月が欠けている」もこのシリーズの1冊。

・山のメディスン

「生きていくうえで大切なこと、かけがえのないことのすべてを山から学んだ」という医師の本だそう。

巻末には山岳診療所所長や山岳部監督を務めた著者独自の登山テクニックと救急医療のABCを解説、

って巻末でおさまる内容なのか…?それだけで1冊書けるのでは…?

・伴走者は落ち着けない

サブタイトルは「精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち」。

表紙からしてなんか落ち着かない雰囲気がする。この色合い!

 

2.ネタ元は出版社さんのHP

上記の「叢書クロニック」シリーズを出しているライフサイエンス出版さん、

私には「サンフォード感染症治療ガイド」の出版社!というイメージでした。

でも今回「満月が欠けている」がライフサイエンス出版さんだと聞いて、

気になってホームページを見に行きました。

そしたら出るわ出るわ。

・こどもEBM

つい先日亡くなられた名郷直樹先生の最新作。

EBMの先駆けの名郷先生が子ども向けに書いた本です。

情報にあふれる時代、吟味して自分で選ぶってことの大切さを学びたい。

・最期は一日中抱っこさせて

「叢書クロニック」シリーズの1冊。

残された時間が短い子どもたちの願いをかなえるために奔走する人々の話。

・5万枚のカルテを見た看護師が語る 不可解なエビデンスに学ぶスキルとしての怪異
―加速する世界と医療の個性化をつなぐ病院怪談―

タイトルが長いよ!

怖いの…?怖い話なの…?

あー、もう書ききれない。

こうやって気になる出版社さんが増えていく!

よければこちらもどうぞ

これまでの、「今週の気になる本」。

読書の秋、1冊でも読み進めたいものです。

今週の気になる本 カテゴリーの記事一覧 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた

緑内障は不治の病なのか『満月が欠けている』

私は強度の近視です。

コンタクトレンズの度数を伝えると「そんな度数存在するんですか…」と若干引かれるくらいの度の強さ。

近視が強いと緑内障のリスクが上がるので、何年か前から予防的に点眼薬で眼圧を下げています。

2ヵ月に1回の通院と半年に一度の視野検査で

緑内障が発症していないか、進んでいないかを診てもらっています。

強度近視の時点で既に視神経にある程度のダメージは生じていて、

そのダメージは元に戻すことはできない。

でも、ダメージを広げないようにケアしていくことはできる。

「死ぬまで見えていたら勝ち」、それが緑内障の治療だと思っています。

 

ところで昔、「L25」というフリーペーパーがありました。月2回くらい出てたのかな?

L25で私が楽しみにしていたのが穂村弘さんの「蚊がいる」というコラム。

どの回だったかは思いだせないのですが、

いつかのコラムを見て「この人はやばい人だ……」(褒め言葉のほうの「やばい」です)と感じて追いかけるようになり、

「蚊がいる」を読むためにL25をゲットしていました。

そのあとも穂村弘さんのエッセイが出るたびになんとなく気にはなってたんです。

いつの間にかL25は無くなってしまったなあ。

 

追いかけ続けてきた穂村さんの、最新のエッセイは緑内障に関するものでした。

「満月が欠けている」っていいタイトル。

ふだんのとぼけた内容なんだけど、

背景に緑内障という「不治の病」がちらちら見え隠れします。

とはいえ自分が片足を突っ込んでるからか、薬剤師という仕事柄か、

私は「緑内障が不治の病」って認識がこれまで一切ありませんでした。

 

穂村さんがこの本の中で書いているような、

朝起きたら目が見えなくなってるんじゃって恐怖も感じたことないし、

どうせ見えなくなるんだったらと物欲が無くなるなんてこともない。

 

五十肩や老眼みたいな「あーとうとう来ちゃったかー年だもんねー」くらいの認識でした。

痛くもないし、見た目も変わらない、目薬を差してコントロールできてるかを見張っとけばいいでしょって感じ。

 

だから「不治の病」と言われると「?!」という気分になりますが、

死ぬまでおつきあいしなきゃいけない疾患、と考えればまぎれもない「不治の病」ですね。

 

緑内障診療ガイドラインには次のような記載があります。

日本における初回緑内障点眼薬処方患者は治療開始約1年でその40%が治療から脱落すると報告されており(以下略)

出典:日本眼科医会HP 緑内障診療ガイドライン(第5版)

https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/glaucoma5th%20(2).pdf

ほっとけば失明に至る可能性があるのに治療開始1年で40%が脱落。

脱落の要因としては、

・自覚症状がない

・受診時以外は眼圧治療効果のフィードバックが得られない

・自己点眼治療の負担が大きい

などが挙げられています。

 

あまり深刻に考えすぎて「人生終わった」みたいに思う必要は全くないですが、

「自覚症状ないしめんどくさい」と放っておくのは危険。

治療への意欲をどうやって保ち続けるかは、緑内障を治療するうえで大きな課題になるんだろうなと思います。

 

同じ病気であっても、その病気を抱えてこれから生きていくにあたって、見えている風景は一人ひとり違う。

緑内障という疾患を通して、その風景の違いを実感することができた本でした。

 

ところで、今回の本はこれまでの穂村さんのエッセイ本とはちょっと雰囲気が違うなと思っているのですが、

精神科医の先生との対談のところで私の好きな「やばい」穂村さんっぽいところを発見。

「天国にはゴキブリはいるのか。殺虫剤はあるのか。(以下略)」

我が家のレシートは見せられない『レシート探訪』

小学校3年生の「生活科」の宿題で、

「家族が何を買っているかレシートを見せてもらおう」というのがあります。

 

上の子のときは

「働く大人は何を買っているのかな」

というテーマが設定されていました。

私は在宅勤務が多い仕事なので、そんなのいきなり言われても

スーパーで買ったアイスのレシートしか出てこない。

夫は毎日出社しているけれど、夏ということもあってレシートはビールばかりでした。

他の方はどんなレシートを提出したのか聞いてみたい。

 

今年、下の子の代では

「おうちの人はどんなお店で何を買うのかな、なぜそこで買ったのか聞いてみよう」

というテーマが設定されていました。

長男のときより親としての難易度は下がったけれど、

夫は「この『エガビアー』っていうのは何だ、なぜ買おうと思ったんだ」と

子どもに詰められていました。

※エガビアー:江頭2:50が共同開発したビール

 

レシートを見ると、その家庭が見える。

学校の先生に我が家の生活が丸裸になったようでとても恥ずかしいのですが、

そんな私が読むしかない!という本が目の前に現れました。

いろんな人のレシートから、その人の食生活や日常を紐解いていくという内容です。

文筆家・料理家のツレヅレハナコさんとか、校正者の牟田都子さんとか。

「北欧、暮らしの道具店」のサイトで連載されていたというだけあって、

出てくるレシートがみんなオシャレなんですよ!

エガビアーとか買ってる人、いないし。

夕飯のメニューを感じるレシート、上野の甘味処の思い出が見えるレシート、

1枚1枚のレシートから、26人の方の日常が透けて見えてくる。

コロナ禍に取材が始まって作られた本ということもあってか、

つつがなく日常を過ごせることの嬉しさ、ありがたさが静かに伝わってきます。

 

この本を読んでいて、1枚のレシートから日常を読み取るという作業が

調剤薬局の薬剤師の業務に通じるところがあるなと思いました。

1枚の処方箋から、薬剤師は患者さんの病状や医師の処方意図を推察します。

『薬剤師・毒島花織の名推理』では

「薬剤師は処方箋から病名を推測する探偵」と表現されています。

https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/column/busujima/202110/572359.html

そう考えると、この本に出会ったのは必然だったのかもしれません。

 

『レシート探訪』のあとがきに

「なにを選ぶか」は、「どう生きるか」のはじまりでもあった

という言葉がありました。

とりあえず、誰に見せても恥ずかしくないレシートをさっと出せるような生き方をしたい。

 

今週の気になる本|2026/10/7

さて、「今週の気になる本」の時間です。

大きな本屋さんに行っちゃうと読みたい本が増えてダメですね。

ちょっと時間ができたから、と本屋さんに行ってはいけない。

1.ネタ元は本屋さん

本屋さんに行くのは、テレビでザッピングをするのと似ています。

ざーっとタイトルを見て、ちょっと数分だけ中身を見て、また次へ。

大きな本屋さんに行くと、見たいチャンネルがありすぎて困ってしまう…

・あるノルウェーの大工の日記

旅行に行くので、そのガイドブックを見繕うために旅行本の棚に行ったはずなのに!

横の棚に置いてあったこの日記に手が伸びてしまった。

「ノルウェーの」「大工の」日記。

「世界14ヵ国に翻訳権の売れた話題のエッセイ 」って帯がついてたのですが、

なぜノルウェーの大工の日記が世界14か国に…?

・文字をあるく

大工日記本の横に置いてあった飯間浩明さんの新刊。

飯間さんの、紅白歌合戦を見ながら

歌詞のなかの日本語をつかまえるXのポストを見るのが毎年楽しみです。

・答えのない答え合わせ

・本音を言えば友達になりたいです

・晴れ姿の言葉たち

「往復書簡本」という特設コーナーが本屋さんに設けられていましてね。

そこで紹介されていた本です。

映画化された「急に具合が悪くなる」も往復書簡本でしたね。

手紙の書体を見ると、子どもの頃繰り返し読んだ「あしながおじさん」を思い出します。

2.ネタ元は出版社さんのHP

各社、秋の新刊がそろってます。

・がん患者における糖尿病治療のコンセンサスステートメント2026

糖尿病をもつ方のがん治療というとまず思いつくのが

制吐療法のステロイドやオランザピンでした。

ですが目次を見るともっと幅広い内容を網羅しているみたい。気になる。

10/20発売だそうです。

がん患者における糖尿病治療のコンセンサスステートメント2026 - 羊土社

・文章からAIくささを消す方法

星海社新書さんはおもしろそうな新書が多くて定期的に新刊をチェックしています。

「AIくさい文章」ってありますよね。

AIを使用することを否定するわけではないですし、

手順の説明などは、

AIが入った文章のほうが明らかに分かりやすいなと思うこともあります。

ただ、「AIくささ」が見えた瞬間になんとなく読む気を削がれてしまう。

その「AIくささ」はどこにあるのか。

 

旅行のガイドブックは買い忘れたことに気がつきました。

また本屋さんに行かねば。

よければこちらもどうぞ

これまでの、「今週の気になる本」。もはや読める気がしない。

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2026年10月発売の薬剤師関係の雑誌

やっと雨がやみましたね。

ノアの方舟では40日40夜、休みなく雨が降り続いたのでしたっけ。

さて、天気が落ち着いたところで10月発売の雑誌!

月刊薬事

10月号の特集は「カラフルな抗体医薬品の地図 臨床のリアルを知る」

月刊薬事 2026年10月号(Vol.68 No.13) – 株式会社じほう

薬局

10月号の特集は「慢性化するHIV感染症 新たなステージで求められる継続支援」 

南山堂 / 月刊誌「薬局」 / 2026年10月 Vol.77 No.12

調剤と情報

10月号の特集は「がん患者×○○ 併存症・合併症・体調からみたがん患者のフォローアップ」

調剤と情報 2026年10月号(Vol.32 No.12) – 株式会社じほう

治療

10月号の特集は「【第1特集】つなぎまとめる脆弱性骨折ケア/【第2特集】医師が知らない医療訴訟の世界」

南山堂 / 月刊誌「治療」 / 2026年10月 Vol. 108 No.11

見どころ

今月の「月刊薬事」「薬局」「調剤と情報」は

最近この3誌の中で特集がループしているような気がして、

特集名を見ただけではあまり食指がのびなかったのです。

が、「月刊薬事」の抗体医薬特集で製造とか医療経済に触れてくれてるのはおもしろそう。

 

同じような特集に見えても別の角度から見ることで新たな発見があったり、

何度も触れることで記憶の定着や理解を深めることができるので

食わず嫌いせずに読もうと思います!

 

今週の気になる本|2026/9/30

さて、「今週の気になる本」の時間です。

個人的には今週はアンテナをちょっと控えめにしていたつもり…

がそうでもなかったです。

1.ネタ元は「Tarzan」

Tarzanって雑誌をご存じでしょうか。

筋トレとか、ダイエットとかを取り上げてるどちらかというと男性よりの雑誌。

そのWEB版で書店員さんが筋肉をめぐる名著を紹介という記事がありました。

人気書店員が厳選・筋肉をめぐる12冊の名著。

その中から気になった本たち。

・食べる本

健康で長生きするためのダイエット、っていうスタンスがよい!

・筋肉と脂肪 身体の声をきく

各競技で必要とされる筋肉は違う。

アスリートをはじめとするカラダづくりのプロフェッショナルたちに迫るルポ

だそうですよ!

・となりの筋トレ

この本、だいぶ前に手帳の「読みたい本」にメモした気がします。

ジムって変な人が多いです。いや、私もその一人なのかも。

それをストレスに感じるか、人間観察と見るか。

2.ネタ元はX

今週はXは控えめにしてたはず!

・煮魚をつくったら、人生の悩みがじわじわ消えた

大和書房のXで見ました。

タイトルで全て持ってかれる。

・書くとは何か

・遠くまで旅するような顔だけをする

・猫が動く、何かはじまる

この3冊は青山ブックセンターのXで見た本たち。

イベントとかサイン本とか、都会の本屋だ…!

「書く」テーマの本はやはり気になります。

よければこちらもどうぞ

これまでの、「今週の気になる本」。秋の夜長、1冊でも読み進めたいものです。

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薬剤師のくせにプラセボに頼る私『まいにち梅づくし生活』

長時間乗り物に乗る時は必ず梅干しのおにぎりを事前に食べます。

いきなり何を言い出したんだって感じですね。

 

私、すごく乗り物酔いしやすいんです。

船や飛行機はもちろん、車でもバスでも、電車でも酔います。

 

小学生のときに、両親と祖父母と一緒に金沢にバス旅行に行きました。

酔い止めを飲んだり、

シーバンドという手首のツボを刺激するという腕輪もしましたが案の定酔いました。

見かねたのか、トイレ休憩のときに祖母が

「梅干しは気持ち悪いときにいいから」

と言って梅干しのおにぎりをくれたんです。

そんな訳あるかいと思いながら食べたらなんと不思議、

それ以降旅行中は酔いませんでした。

 

その後も梅干しのおにぎりを食べてから乗り物に乗ると酔わない、

ということが続きまして、

私の中ですっかり「梅干しのおにぎり=酔い止め」の構図ができあがりました。

 

時は流れ、私は薬学部に入学しました。

梅には乗り物酔いを抑えるさぞすごい効能があるんだろう!

と楽しみに生薬学の教科書を調べましたが、

乗り物酔いに対してはそんなに劇的な効果があるとは思えず。

 

私に起きている劇的な効果は

きっとおばあちゃんの魔法、

つまり「プラセボ」の部分が大きいんだろうと思っています。

 

前置きが長くなりましたが、

私が「梅ボーイズ」さんのことを知ったのは

「すっぱくてしょっぱい昔ながらの梅干しを食べてほしい」

というようなXのポストだったと思います。(かなり前なのでだいぶあやふやです)

おばあちゃんの梅干しは塩の結晶がくっついてるような、しょっぱい梅干しでした。

今主流の、甘めのはちみつ梅はちょっと苦手です。

 

しょっぱい梅干し食べたさに「梅ボーイズ」を追いかけていたら

今年の夏、こんな投稿が!

私、キュウリが嫌いなんです。

山形のだし、おいしいよ!って言われて食べてみたのですが、

山形のだしってキュウリがデフォルトで入ってるんですよね。

口の中に広がるキュウリ、キュウリ、キュウリ。

もう頭の中がキュウリでいっぱいになりました。

 

このレシピだと、キュウリが入らないうえに梅のいい香り!

白だしを普段使ってなくて、めんつゆを薄めたやつで代用してしまったので

本来のレシピとはだいぶ違ってしまってると思いますが、

めっちゃおいしい~!

 

そして梅ボーイズのリーダーの山本将志郎さん、

北大薬学部で大学院まで進んだあとに梅農家になったという方です。

薬学部つながりということで勝手に親近感を抱いております。

梅ボーイズについて

北大院卒の若者が「昔ながらの酸っぱい梅干し」を再興。“梅ボーイズ”に新規就労者が集まる理由 | Business Insider Japan

 

そんな山本さんが出した本が「まいにち梅づくし生活」。

いわゆる「梅仕事」、梅酒とか梅干しとか梅シロップとかのほかに、

「まいにち梅レシピ」として梅干しや梅酢を取り入れたレシピがたくさん載ってます。

写真が色鮮やかできれい。

これを読めばこのあと梅が食べたくなる。

梅干しの消費量はこの20年で4割減っているそうです。

梅干しが無かったら私、乗り物に乗れないので

みんなこの本読んで梅干し食べましょう!