「家庭薬」って聞いたことありますか?
恥ずかしながら私はあまり聞いたことがありませんでした。
そもそも家庭薬の定義とは?
「家庭薬 定義」でググったところ、
2012年のファルマシアの記事が出てきました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/48/6/48_KJ00009649776/_pdf
東京都家庭薬工業協同組合(東家協)および全国家庭薬協議会(全家協)のHPからの引用として、
「長い伝統と使用経験を積んだ家庭の常備薬」(東家協 HP )
「日本の伝統と文化に育まれ,現代科学によって研ぎ澄まされた伝統と安心のくすり(全家協 HP)
だそうです。
…はて。薬機法とかに載る単語ではないので、明確な定義はないのでしょうね。
「昔から身近にある一般用医薬品」ってところでしょうか。
さて、この本では全国家庭薬協議会の加盟会社が販売する家庭薬の数々が、
1商品につき見開き2ページ、フルカラー・写真満載で掲載されています。
太田胃散とかキンカンとか、ユースキンAなど我が家の薬棚にも入っているもの。
サロンパスAとかノーシンとか、家庭薬って言葉から個人的には想像できなかったもの。
宇津救命丸とか樋屋奇応丸、恵命我神散など私が想像した「ザ・家庭薬」まで。
それぞれの薬の歴史や効能効果、成分分量が数々の写真とともに載っています。
見どころは明治・大正・昭和初期あたりの広告や製品パッケージ!
こんなに一度に、カラーで見られるのは貴重です。
現代と大して変わらないパッケージのものもあれば、
大きく様変わりしているものもあり、各企業の姿勢が見えてきます。
それぞれの薬に歴史あり。
ただ、この本に載っている商品を
現在の10代、20代がこの先使っていくかと言われるとだいぶ答えづらい。
40代の私でさえ、「祖母の部屋で見たような?」というレベルの商品も多く、
我が家の次世代である子どもたちは存在すら知らないはずです。
「命の母」みたいに販売会社が変わってリニューアルしたことで、
若年層に広く知られる例もあるので何とも言えないところではありますが。
これからの家庭薬の未来を楽しみにみていきたいと思います。
ところで龍角散の名前の由来って、
当時配合されていた龍骨、龍脳、鹿角霜の名を結び付けたんですって。
でもいずれも後に処方見直しの際に外れてしまったそう。
現在の処方はキキョウ、キョウニン、セネガ、カンゾウの4つの生薬です。
龍角散の成分って初めて調べたかもしれない。