薬学部の授業で、薬用植物学というものがあります。
その「薬用植物学」という響きになんともいえない胸の高まりを感じたのは私だけだったでしょうか。
この本はあの胸の高まりを蘇らせてくれるようなタイトルと装丁をしています。
中身はというと、正直実用性はありません。
植物ごとにトリカブトとかジギタリスなど章だててとりあげてあるものの、その薬効成分に触れているわけではなく、栽培の仕方やら見分け方やら、はたまた魔女の軟膏の作り方だの、現代に生きる薬剤師としての実務には凡そ役立ちません。
しかも、ヨーロッパの植物なのでなじみのない植物も多く、「アマドコロ」なら知ってるぞ!と一瞬思っても監修者(大学の生薬の先生)による「これは日本のやつと違う」という注釈がついてたりします。
ただこの本、装丁がすごくいい感じ。これは画像ではたぶん伝わらないです。
なんというか、横から見るとキラキラしてます。
ペーパーブランクスのノートみたいな、あの雰囲気が好きな人はきっとハマるはず。
そしてこのタイトル。「ポイズン」!
本棚にしれっとまぎれこませておいたら子供が「ママは魔女だったのか」とびびっていました。
植物から生まれる成分を薬として使う、という点では薬剤師と魔女に一部共通点があるかもしれません。
姉妹書で同じ著者&監修者の「魔女の秘薬事典」というのもあるのでそちらも機会があったら読んでみたいなと思っています。
※表紙は「ヨーロッパイチイ」の図。この植物に由来する有名な医薬品、薬学部の授業で習いました…よね?