ドーピングが気になる「我が友、スミス」

 

 

タイトルだけ見たら、なんか友情ものかなと思いますよね。

まさかのボディビルを扱った小説です。

しかも表紙からは分かりづらいけど、主人公は女性。

筋肉の美しさを競う、女性らしさからは程遠いと思われがちなボディビルが、実はミスコンよりも女性らしさを求められるとかいろいろ考えさせられるところがあります。

ちょこザップ通い始めた、とかのタイミングがあれば是非読んでほしいです。

 

というのは置いといて、スポーツものということでドーピングの話題が出てくるんです。

「YYGなるステロイドの使用を認めた」

「YYGは去年まではうちの大会でもOKだった」

「(ステロイドを使った選手について)見る人が見れば、わかるのよ」

などの記述があります。

去年までは認められていた薬物が今年からはダメになる、これはドーピング界隈ではちょいちょいありますよね。

ステロイド」違いですが、近年だと糖質コルチコイドの口腔内局所使用が競技会では禁止になった、なんてこともありました。

 

ドーピングによって作り出された筋肉を「見る人が見ればわかる」とは?

本書では

筋肉が「ちょっと水っぽかった」

「クリーンな」筋肉は、どちらかというと「ドライな」質感だという

という表現がされています。

 

知り合いのボディビルダー(男性)に聞いてみたところ、

「水っぽいっていうのはよくわからないけど、確かに見る人が見れば分かる。

見分けるポイントがいくつかあって、『バブルガット』と呼ばれるおなかがぽっこり出てるような人とか」

だそう。

ただしバブルガットが必ずしもドーピングによって起こるわけではないそうです。

 

また、ボディビルの団体の中にはドーピング絶対禁止のところと黙認されてるところがあることも教えてもらいました。

 

スポーツファーマシストの資格を持っているくせに、お恥ずかしながらドーピングというと忌むべきもの、避けるべきものという認識しかしていませんでした。

だからドーピング黙認のボディビル大会があるなんて!と驚きましたが、何に重点を置くかで見方はいくらでも変わる、それを改めて認識した次第です。

 

各競技のルールを理解したうえで、健康を害さないように競技を続けていけるようなサポートをする、また持病があっても競技を続けていけるようにサポートをするのが今後求められるスポーツファーマシストの役割かなと思います。