理系の定義とは何でしょうか。
高校では3年生になるときに理系科目を選択すると、
自動的に理系クラスに割り振られました。
化学を選んだ私は理系クラスでした。
大学で薬学部に入学しましたが、
実験もたくさんしたと思うしレポートも書いたけど、何より暗記することが多かった。
暗記が好きでないとハードモードの学生生活になりそうな気がします。
卒業してからも、文章の読み書きは学生の時以上に求められます。
文献を読んで、資料を読んで、
それを他人に分かりやすいように伝える
プレゼンテーション力、コミュニケーション力。
そして暗記力。
もはや文系とか理系とかいう枠組みは意味がありません。
単なる大学入試の科目選択という位置づけです。
薬学部は理系なのか、そう聞かれたら私は
「入学する際には理系科目の勉強が必要になる。
ただ入学してからも卒業してからも文系的スキルが大いに求められる。」
と答えます。
文章なんて読めない!読むの嫌い!書くのも嫌!
だとどの分野で働くにしてもなかなかしんどいと思います。
さて、「理系あるある」の前書きでも
「理系の人とは誰を指すのか、世間ではわりと曖昧です」としたうえで、
「素数にこだわったりドップラー効果や炎色反応について口走ったりすることが
理系の条件なのだと述べておく」と表現されています。
さて、この本の中身。
- 数学あるある
- 実験室あるある
- 日常生活あるある
- 天文あるある
- 誤解あるある
- 番外編:理系あるあるショートショート
と章に分かれているのですが、
著者が理学部卒、専門が宇宙物理学とあって若干薬学部からは距離を感じる内容もありつつ、分かるよ分かる!という内容も多いです。
キムワイプで鼻をかんでゴワゴワするな…と思ったことありますよね。
花火を見て炎色反応が頭をかすめますよね。
パスタをゆでるとき塩を加えて沸点上昇って思いますよね。
ふふって思う内容が続きます。
何より私が一番共感したのは次のあるあるです。
「リケジョ」と呼ばれてイラっとくる
私は自分のことを「リケジョ」とは絶対に言わないし、言われるとイラっとします。
それだけに…自分の出身大学が「○○大のリケジョに聞く!」とかいう動画を出してた時にがっくり来ましたよね…。
この本の中で一番そうだよそう!と思ったのが、
潜在的理系女子に理系進学をさせたいならスター研究者の例を挙げて的外れな励ましをするよりも、むしろ子育て後に職場に復帰する理系女性やパートタイムで働く理系女性など、もうちょっと普通で楽な人生コースを紹介する方が有効な気がします。
という一文と、
何より
スター科学者でなく捏造もしていない大勢の女性研究者をリケジョ呼ばわりするのをやめるのはどうでしょうか。
という一文でした。
少子化の時代、理系とされる学部に学生を呼び込みたい大学の思いはよくわかります。
でも、大学が自分の学生を「リケジョ」呼ばわりするのはやめてほしい。
リケジョになりたくて、そう呼ばれたくて大学に入ったわけではないんです。
比較的女性が多めの、薬学部がある大学でさえ
自分のところの学生のことを「リケジョ」とか言っちゃうのがとても残念です。
「リケジョ」の言葉には思うところあって真面目な感想になっちゃいましたが、
この本自体は寝転んで読める気楽な本です。
この本の作者は周期表に関する本も書いてるそうで、そちらも機会があったら読んでみたいですね。
この本には載ってないんですが、
以前テレビの「踊る!さんま御殿」で理系の人を集めた回があって、
「ロッカーを選ぶときは偶数ではなく奇数、できれば素数を選びたい」という意見が出てました。
私も同意見なのですが、これは理系の人に共通することなんでしょうか。
理系用語を日常生活に積極的に取り入れていきたい方は
「声に出して読みたい理系用語」もおすすめ。
アンタブス?アンタビュース!「声に出して読みたい理系用語」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた
薬剤師に必要なスキルはむしろ文系よりではないかなという話。
どんなキャリアを積んでいく?「薬剤師の新しいキャリアデザイン戦略」 - 薬剤師がマインドマップ風に読んでみた