ハロウィンで我が家に魔女もどきの幼児が出没しております。
女子がすなる化粧といふものを、我もしてみむとてするなり、
と子どもに化粧を施してみたら(我も女子の端くれではあるが)、
イッテQに出てくるヘルメットおじさんみたいになりましたが
魔女っぽいよ!とごまかしました。
ところで「魔女」っていうとどんな姿を思い浮かべますか?
黒い服を着てホウキで空を飛ぶ?
大鍋で何かをかき回している?
そもそも魔女は悪者なんだろうか。
ディズニーやグリム童話で出てくる魔女は悪者のことが多いですが、
ジブリの「魔女の宅急便」のキキやキキのお母さんはどう見ても悪い人ではない。
キキのお母さんは実験設備みたいなものを使って
近所の人に「リウマチに効く薬」を提供する、薬剤師みたいなことをしています。
私は「大鍋で緑色の何かをかき回している」イメージが強いです。
では大鍋で何を作っているんだろう?
というのを解説してくれる本があります。
神話や昔話のなかで魔女と植物がどんな風に取り上げられているか、
というのを解説した本なのですが、
魔女が作った飲み物や食べ物が紹介されています。
2014年に出た本ですが文庫になって読みやすくなった!
さて、魔女がどんなものを作っていたかということですが、
幻覚作用のある飲み物とか地獄の雑炊とか若返りの飲み物とか…
作れる気がsineeeee…
唯一作れそうな「キルケーの作ったキュケオーン」でも、
ヤギのチーズ、小麦粉(オオムギ、ライムギ)、ミント、黄色の蜂蜜を赤ワインに混ぜたもの
だそうで、果たしてそれはおいしいのか?
実際に再現した人によると「カスタードのような甘い味がする粥」だそうです。
地獄の雑炊のレシピも書かれていましたが、
想像するだけでおぞましいので割愛。イモリの目玉とか。
この本には魔女が作ったもののほかにも、
「ラプンツェル」とはどんな植物なのかとか、
マンドラゴラ(マンドレイク)伝説がどう移り変わってきたのかとか、
ヨモギの属名はArtemisia(アルテミス)で女神アルテミスに由来するとか、
小ネタがいっぱい。
私の大好きな類の本です。
薬草監修は指田豊先生。
薬用植物といえばこの方、という大先生!
そして最後の章に、
「魔女の植物がみられるドイツの植物園」というページがあるんです。
いかにもドイツだなーと思うのが、
修道院に薬草園があること!
聖書の中に出てくる薬草を集めた聖書薬草園はドイツに100以上あるそうですよ。
あとは大学の薬草園。
ヴュルツブルク大学付属植物園は規模が大きいというのは知っていたんですが、
クナイプ社のオーナー夫妻の寄付で作られたというのは知らなんだ。
クナイプ、日本だと入浴剤のイメージですよね。
あとはハイデルベルク薬事博物館!
ハイデルベルク城には新婚旅行で大昔に行ったのですが、
ワインの大樽しか見なかった……
すぐそばに薬事博物館があったなんて!当時の無知が悔やまれます。
もう1回ドイツ行きたいなあ。
さて、日本ではどんな薬草園があるんでしょうか。
以前紹介した「医歯薬学系博物館事典」にも載っていますが、
漢方薬・生薬認定薬剤師の研修会のサイトで
フリーで見られる薬草園一覧を見つけたのでリンクを貼っておきます。
https://www.jpec.or.jp/download/kanpou_yakuyousyokubutsuen_jisyushisetsutokushoku.pdf
大学の植物園では東京薬科大学の植物数が目を惹きますね。
あくまで漢方薬・生薬認定薬剤師研修の薬草園実習を受け入れている園のリストなので、
東北大学の薬用植物園とか実習を受け入れていない園は載っていません。
(東北大学はイノシシが出るから一般公開してないらしい)
個々の薬用植物園については
日本薬学会の「ファルマシア」でも紹介記事がありますのでよければどうぞ。
(公開から1年以内の記事は薬学会会員のみ公開のようです)
涼しいを通り越して一気に寒くなってしまいましたが、
また植物園に行きたくなってきました!
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